自宅にNHK放送を受信できるテレビなどの機器がある場合、NHKと契約したうえで受信料を支払わなければいけません。もしテレビを持っているのにもかかわらず、正当な理由なく契約を結ばなかった場合、割増金が請求され通常の3倍もの受信料を支払わなければいけない可能性があります。   本記事では、割増金が請求される条件などについて解説します。

NHK受信料の支払い義務と料金

放送法第64条では「NHKの「放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、NHKと受信契約を締結しなければいけない」と規定されています。
 
2024年2月現在のNHKの受信料額は、衛星契約(地上+衛星)の場合は月額1950円、地上契約(地上のみ)の場合は月額1100円です。受信料の支払いは月ごとではなく、2ヶ月ごとに行います。また6ヶ月分か12ヶ月分を前払いできる制度もあります。
 

割増金が請求される条件と料金

2023年4月1日から割増金制度が導入されました。何らかの理由でNHKの受信料を支払わなかった場合、支払いを行っていない月分の受信料とは別に、受信料の2倍の「割増金」を支払わなければいけません。つまり実質1ヶ月の受信料が3倍になるのです。割増金の支払いが必要となる条件は次の2つです。
 

不正な手段により受信料の支払いを免れた場合

生活保護受給世帯や障害のある人、親元から暮らす学生などは一定の条件を満たすと、NHKに申請した上でNHKの受信料の減免制度を受けられます。しかし申請書類に虚偽の内容を記載し、不正に受信料の減免を受けていることが発覚した場合、割増金請求の対象となります。
 

正当な理由がなく期限までに受信契約の申し込みをしなかった場合

テレビなどの受信機器があるのにもかかわらず、申込期限までに契約しなかった場合、割増金が請求されます。
 
NHK受信規約によると申込期限は「受信機の設置の月の翌々月の末日」までとされています。例えば4月にテレビを買った場合、6月末日までにNHKと受信契約を結ぶ必要があります。ただし災害や急病などの正当な理由により契約が遅れた場合は、この限りではありません。
 

割増金はどこまでさかのぼって請求される?

不正にNHK受信料を免れた場合、NHKは過去にさかのぼり全ての期間の受信料を請求します。ただしその期間のうち、割増金の請求対象となるのは2023年4月以降の分です。
 
時効の申し出をすることもできますが、最大5年までとされています。
 

契約手続きは早めに済ませよう

2023年4月よりNHK受信料の割増金制度が導入されました。虚偽の申請により受信料の減免を受けていたり、正当な理由がなく受信契約の申し込みをしなかったりすると、受信料の2倍相当の割増金が請求されます。通常の受信料と合わせると、実質受信料が3倍になる計算になります。
 
5年という時効はありますが、NHKは原則として受信料を免れていた全期間分の受信料を請求します。支払いの義務がある場合は早めに契約手続きを済ませるようにしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 放送法
NHK受信料の窓口 受信料の割増金制度について
NHK受信料の窓口 受信料免除の対象となる方について
NHK受信料の窓口 お支払いに関するQ&A
 
執筆者:山田麻耶
FP2級