21日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派的な政策姿勢は示されず、ドルは買戻しが予想される。また、日銀は今後の金融正常化について慎重なスタンスで、円売りがドルを支えるだろう。



米連邦準備制度理事会(FRB)は19-20日にFOMCを開催し、現行の政策金利を維持。当局者による金利見通しは2024年の利下げに関し3回と、前回から変わらず。一段の引き締め的な政策期待の後退で米金利安・ドル安に振れ、ユーロ・ドルは1.09ドル台に浮上、ドル・円は約1円安の150円70銭台に値を下げた。ただ、本日アジア市場でドル・円は一時150円20銭台に下げたが、その後は値を戻す展開となった。



この後の海外市場は今晩発表される米経済指標が手がかり。フィラデルフィア連銀製造業景気指数、PMIなど経済指標はおおむね前回を下回ると予想される。市場観測に沿った内容なら、米金利安・ドル安に振れやすい。ただ、FRB当局者による金利見通しでは引き締め的な政策姿勢は維持され、過度なドル売りは回避される見通し。一方、日銀の追加利上げ報道に対し、日銀総裁は慎重姿勢だったことから円売りも見込まれる。



【今日の欧米市場の予定】

・17:30 スイス中銀が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)

・17:30 独・3月製造業PMI速報値(予想:43.0、2月:42.5)

・17:30 独・3月サービス業PMI速報値(予想:48.8、2月:48.3)

・18:00 ユーロ圏・3月製造業PMI速報値(予想:47.0、2月:46.5)

・18:00 ユーロ圏・3月サービス業PMI速報値(予想:50.5、2月:50.2)

・18:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告

・18:30 英・3月製造業PMI速報値(予想:47.8、2月:47.5)

・18:30 英・3月サービス業PMI速報値(予想:53.8、2月:53.8)

・21:00 英中銀が政策金利発表(5.25%に据え置き予想)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:20.9万件)

・21:30 米・3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:-2.8、2月:5.2)

・21:30 米・10-12月期経常収支(予想:-2090億ドル、7-9月期:-2003億ドル)

・22:45 米・3月製造業PMI速報値(予想:51.8、2月:52.2)

・22:45 米・3月サービス業PMI速報値(予想:52.0、2月:52.3)

・23:00 米・2月景気先行指数(前月比予想:-0.1%、1月:-0.4%)

・23:00 米・2月中古住宅販売件数(予想:394万戸、1月:400万戸)

・01:00 バー米FRB副議長(銀行監督担当)座談会参加