5日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比8.49ポイント(0.28%)高の3047.79ポイントと4日続伸した。昨年11月23日以来、約3カ月ぶりの高値水準を切り上げている。





中国の政策動向が好感される流れ。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕し、冒頭で読み上げられた「政府活動報告」では、今年のGDP成長目標を23年と同水準の「5.0%前後」とする方針が示された。また、24年の基本スタンスとして、「財政政策を適度に強化し、質と効率を向上させる」と説明している。ほか、内需の拡大など各種の方針が明らかにされた。ただ、市場の一部からは、「成長目標が物足りない」との声も聞かれ、買い進む動きは限定されている。(亜州リサーチ編集部)





銀行株が上げを主導。中国工商銀行(601398/SH)が2.6%高、中国農業銀行(601288/SH)が2.4%高、交通銀行(601328/SH)が%2.2高、招商銀行(600036/SH)が2.1%高、中国銀行(601988/SH)が2.0%高で引けた。





軍事関連株も高い。航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が6.0%、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が3.0%、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が2.3%、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が1.7%、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が1.6%ずつ上昇した。上述の全人代では、国防費の予算が前年比で7.2%増の1兆6655億人民元(約34兆8180億円)に設定されている。24年の予算は経済成長率を上回るペースだ(24年GDP成長目標は5%前後)。





発電株もしっかり。国電電力発展(600795/SH)が2.7%高、華能国際電力(600011/SH)が2.0%高、中国長江電力(600900/SH)が1.9%高、国投電力(600886/SH)が1.4%高で取引を終えた。産金株、エネルギー株、消費関連株なども買われている。





半面、医薬株は安い。薬明康徳(603259/SH)が3.0%、津薬達仁堂集団(600329/SH)が2.5%、人福医薬集団(600079/SH)が2.2%、上海復星医薬集団(600196/SH)が1.9%ずつ下落した。ハイテク株、不動産株、メディア・娯楽株も売られている。





一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.57ポイント(0.22%)高の264.87ポイント、深センB株指数が3.28ポイント(0.30%)安の1074.42ポイントで終了した。



亜州リサーチ(株)