関西の春の風物詩「桜の通り抜け」の一般公開が5日から造幣局(大阪市北区)で始まるのを前に、高齢者や障がい者などを対象にした恒例の「特別観桜会」が4日、開かれた。

 1883(明治16)年、満開時の数日間に構内の川岸を開放したのがルーツ。太平洋戦争下での中断と、2020・21年の新型コロナウイルスの感染拡大による中止を経て、一昨年(2022年)に再開し、141年を迎える。

 特別観桜会は1975(昭和50)年に始まった。

 造幣局の桜は、関山(かんざん)、松月(しょうげつ)、普賢象(ふげんぞう)、楊貴妃(ようきひ)などの八重桜が中心で、招待客1800人が141品種340本の桜並木を楽しんだ。

 この日は午前10時〜午後5時前まで時間帯を3つに区切り、混雑を避けてゆっくり過ごせるようにした。

 4日現在の桜の開花は2割ほどだが、11日までの期間中には次々に花を咲かせ、満開になると予想している。

 大阪市内の70代の男性は車いすから桜の木を見上げ、「こうやって毎年桜を見て、春を感じることができるのは幸せ。これが満開になれば圧巻でしょうね」と微笑んだ。

 男性に付き添った50代の女性は、「去年は早咲きだったので、一部の花や枝の傷みも早かったが、今年は咲き始めで初々しい感じがする。桜のアーチをくぐることができる日はもうすぐですね」と話した。

 一般公開は4月5〜11日の午前10時〜午後7時30分(土日は午前9時〜)。インターネットによる事前申込制となっている。

 5日(金)〜7日(日)の3日間の予約は、ほぼ定員に達しているという。8日(月)以降の午後は空きがあるが、午前中と夕方は埋まっている。

 問い合わせは専用ダイヤル06ー4980ー0151(午前9時〜午後7時)。