アルファタウリは今季限りでフランツ・トストがチーム代表の座を退き、後任として現在フェラーリでスポーティング・ディレクターを務めるローレン・メキーズが就任することになったと発表した。

 しかしメキーズの移籍については、フェラーリはまだ完全には同意していない状態であり、メキーズがいつからアルファタウリに合流するのかは不明瞭だ。

 これについては、レッドブルからフェラーリに移籍するスタッフの手続きがスムーズに進むかどうかにかかっているとも言われるが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、現在チームに”人質”のような状況になっている存在はいないと語った。

 アルファタウリの次期チーム代表に内定したメキーズ。しかし現時点ではフェラーリと長期契約を結んでいるため、来季からアルファタウリのチーム代表を務めるためには、この契約が早期に解消されなければならない。この契約が早期に解消されるためには、当然フェラーリの合意が必要になる。

 このことについて現アルファタウリ代表のトストは、レッドブルとフェラーリの間におけるスタッフ移籍問題が、メキーズの移籍にも影響を及ぼす可能性が高いと数日前に示唆した。

「まず第一に、それはローレンとフレッド(フレデリック・バスール/フェラーリ代表)の間の問題だ」

 トスト現代表はメキーズの移籍問題について、そう語った。

「そしてもちろん、この件についてはレッドブルも大きな役割を果たすだろう。オリバー・ミンツラフ(レッドブルCEO)がフェラーリのCEOと話し合い、解決策を見つけると思う」

 情報筋によれば、レッドブルからフェラーリに移籍するためガーデニング休暇をとっているスタッフが早期に解放されれば、フェラーリ側もメキーズを早々に手放すことに同意するのではないかという。

 これを裏付ける様に、フェラーリはレッドブルから、上級スタッフを引き抜こうとしているという噂がある。その中には、現在レッドブルでテクニカルディレクターを務めるピエール・ワッシェらの名前も含まれている。

 しかしレッドブルのホーナー代表は、噂に上がったスタッフたちは、レッドブルでの仕事に今後も集中すると宣言していることを明かしつつ、メキーズの移籍に、レッドブルのスタッフの移籍が関係していることはないと語った。

「ローレン・メキーズの人質交換はあるかって?」

 ホーナー代表はそう語った。

「まあ、人質のような立場になっている存在はいないよ」

「フェラーリに移籍する可能性のあるスタッフについては、上級職でも中級職でも、全く確認されていない」

「フェラーリ移籍の可能性があると言及されたスタッフは先週私に会いに来て、この噂について不満に思っていると話してくれた」

「しかし、これはF1だ。そういうことは起こりうる。だが我々のチームの上級スタッフが、マラネロ(フェラーリ)に行く予定はない」

 なおレッドブルは、現在チーフ・テクニカル・オフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイとの契約延長が決まったと見られている。