F1日本GPの予選では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。そしてチームメイトのセルジオ・ペレスも僅差で2番手を獲得した。そんなペレスの好調について、レッドブルの重鎮ヘルムート・マルコは「来年の契約が懸かっている」からではないかと示唆した。

 予選でポールポジションを獲得したフェルスタッペンのタイムは、1分28秒197。そして2番手となったペレスは、わずか0.066秒差と、フェルスタッペンに肉薄する走りを見せた。

 調子が良さそうなペレス。そんな彼の走りは、2025年以降の契約を確保しなくてはという気持ちから来ているのではないかと、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるマルコは語る。

 ペレスとレッドブルの現行契約は2024年で満了する。そしてこれまでのところ、姉妹チームのRBからダニエル・リカルドを再び起用するのではないかという憶測があった。

 一方でそのリカルドは2024年開幕からチームメイトの角田裕毅に負け越しており、さらにルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍に伴って放出が決まったカルロス・サインツJr.や、フェルナンド・アロンソなどペレスのシートを狙っているとされるドライバーは陣営の外にも多く存在している状況にあるのだ。 

「昨年の日本GPはセルジオにとっては最悪のレースだった。何もかもが上手くいかなかったんだ。だから(今回は)彼も特に満足できるだろう」と、マルコは言う。

「彼にこういった走りができることは、貴方がたは分かっていると思う。しかしおそらく、これには例年に比べてかなり(契約の話が)早まっており、来年の契約が懸かっていることも影響しているかもしれない。そのことがかなりのモチベーション要素になっているのではないだろうか」

 マルコは2025年に向けたレッドブルのドライバーラインアップ確定に向けて、「大きく前進した」と説明するが、最終的な決定を下すまではまだ時間が必要だと付け加えた。

 なおライバルチームではメルセデスも夏までに契約を固めたいと考えていていると明らかにしている。

「例年なら我々はドライバーについて4月に話しをしたりすることはないんだ」

 マルコはそう続けた。

「しかしどういうわけか、様々なことが前に進んでいるようだ。だが我々にとってはまだ早すぎる。当然、我々は決定を下すまでしばらく待つつもりでいる」

 なお噂されている元レッドブル育成のサインツJr.の出戻りについてマルコは「考慮すべきまた別の名前であることは確か」と付け加えている。

 またレッドブルは今シーズン開幕前からクリスチャン・ホーナー代表に生じた不適切行為疑惑から、マルコとの間で緊張が高まる場面があった。しかしドライバー人事については「例年と同じ手順を踏むだろう」とマルコは考えていて、ふたりで話し合っていくことを示唆した。