アルファタウリのチーム代表であるフランツ・トストのインタビューがF1公式サイトに公開。これまで同チームで仕事をしてきた中で最速だったのは、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンだったと明かした上で、角田裕毅も本当に速いドライバーだと語った。

 トスト代表は、今季限りでアルファタウリの代表を退くことが決まっている。レッドブルがミナルディを買収する形で誕生したトロロッソ。その後、アルファタウリへと名称を変更したが、これまでずっとトストがチーム代表を務めてきた。後任には、現在フェラーリでスポーティング・ディレクターを務めるローレン・メキーズが就任することが決まっている。

 トロロッソ、そしてアルファタウリは、レッドブル育成ドライバーがF1に参戦する第一歩としての役割を長年務めてきた。そこからはベッテルやフェルスタッペンといった将来のチャンピオンとなるドライバーが巣立っていった。他にも、ダニエル・リカルドやカルロス・サインツJr.といったグランプリウイナーを育て、ベッテルとピエール・ガスリーは、同チームで勝利を手にしている。また、セバスチャン・ブエミやジャン-エリック・ベルニュといった、他シリーズでチャンピオンに輝くことになるドライバーも輩出している。

 これまでチームに所属してきた中で最速だったドライバーは誰なのか? トスト代表はそう尋ねられると、次のように語った。

「もちろん、それを言うのは簡単だ。今ならマックス・フェルスタッペンだと言うだろうし、以前ならセバスチャン・ベッテルだと言うべきだろうね」

「彼らは最速のドライバーだ。そうでなければ、これほど多くのレースに勝ったり、チャンピオンシップを複数回獲得することなどできなかっただろう」

「他にも素晴らしいドライバーがいた。彼らは決して遅かったわけじゃない。おそらく彼らは、間違ったチームに、間違ったタイミングでいただけなのだろう。しかしそれでも、このふたり(フェルスタッペンとベッテル)はベストだ」

 トロロッソ、そしてアルファタウリでの18年を振り返り、トスト代表は次のように語った。

「ディートリッヒ・マテシッツがミナルディの買収を決めた時、主な柱のひとつは、レッドブルの若いドライバーを教育することだと言っていたと思う。チームはそれを実行してきた」

「振り返ってみると、ベッテルや、そしてもちろんフェルスタッペンのような、非常に高いスキルを持ったドライバーが何人かいた。彼らが多くのレースやチャンピオンシップを勝ち取ってきた。それでも、他にも素晴らしいドライバーがいる」

「カルロス・サインツJr.はもちろんそうだし、ピエール・ガスリーやダニエル・リカルドもいる。そして今チームに在籍している角田裕毅も、本当に速いドライバーだ」

「そして他の何人かのドライバーも、時間が経つに連れて本当に大きく成長した。彼らは我々のチームに在籍し、非常にプロフェッショナルな仕事をし、彼ら自身を成長させた。それを目にするのは、素晴らしいことだった」

 今シーズンのアルファタウリはここまで大苦戦。マシンのパフォーマンスは最低レベルだ。しかしそんな中でも角田は、毎戦入賞争いに加わり、11位-11位-10位-10位-11位と実に安定した成績を残しており、その評価はうなぎ登りに高まっていると言われる。

 トスト代表は低迷するチームについて「エンジニアを信頼しない」という辛辣なコメントを発して話題をさらったが、その後当該のエンジニアはチームを去ったとされ「今はチームを信頼している」とそのトーンが変わっている。

 次戦エミリア・ロマーニャGPには大幅にアップデートされたフロアが投入される予定で、その効果がどれほどのものなのか、大いに注目が集まっている。