ダニエル・リカルド（ビザ・キャッシュアップRB）は2025年のレッドブル・レーシングF1ドライバー候補のひとりとも言われているが、彼はレッドブルのシートは目標ではあるものの、そのことに集中しているわけではないと語った。

　レッドブルはマックス・フェルスタッペンとは長期契約を結んでいる一方で、セルジオ・ペレスの契約が2024年でひとまず満期となる。このシートは来年に向けて注目の一席となっており、ペレスが継続されない場合の後任には、姉妹チームのRBからリカルドと角田裕毅が争うことになるのではと見られている。

　リカルドはレッドブルからルノーを経てマクラーレンへ移籍した後、2022年限りでシートを喪失。昨年、レッドブル陣営にサードドライバーとして復帰すると、シーズン中盤にニック・デ・フリーズに代わってRBの前身アルファタウリで起用されてF1グリッドに戻った。

　怪我などもあり昨年はあまりたくさんのレースには出られなかったため、2024年はリカルドにとって改めて角田と競っていくシーズンになる。リカルドは角田との関係性について、お互いにとって「最高の競争相手」になると考えている。その一方で、レッドブルのシートは目標ではあっても、集中するものではないと語った。

「それ（レッドブルのシート）を目標にするのは、僕らにとって自然なことだし、良いことだと思うよ」

　リカルドは開幕戦バーレーンGPの前日にそう語った。

「頭の何処かにあるのはいいことだ。ポジティブに考えると、そのことが僕らの間で最高の競争相手を引き出してくれると思うし、うまくいけば互いに進歩していけるだろう」

「でもグリッドに並んだ時に、『よし、良いレースをすればあのシートに座れるかな？』なんて考えるかと言われれば、そうじゃないんだ」

「そのことは目標としてはある。でも、僕の集中していることじゃない」

　リカルドは前述のとおり、昨年レッドブルに復帰した出戻り組だ。彼は一度シートを失っていた期間の経験から、よりリラックスした気持ちを得られていると語った。

「僕が戻ってすぐに、奪われる可能性もあるという認識で今シーズンに臨んでいる」

「以前、レッドブルのシートに戻ろうとすることについて聞かれたけど、僕はそんな先のことはあまり考えるつもりはない」

「僕はここにいるし、シーズンが開幕してそこにはやるべき仕事がある。今週のさらに先のことを考えるのはクレイジーだよ」

「それに、僕はシートを失ったことで少し視野が広がったと思う。先のことに囚われすぎないようにしよう」

「この考え方なら、気を散らしてしまうことなく、その日に全力であたっていけるんだ」