F1の2024年シーズン開幕戦、バーレーンGPの予選が行なわれ、ディフェンディングチャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンが今年最初のポールシッターに輝いた。

 予選に向けて3回のフリー走行が行なわれ、その前には3日間のプレシーズンテストも行なわれた。ただ、強いチームが手の内を隠すのはF1では常套手段。「今年のF1は接戦となるのか」「それともここまで“三味線”を引いているチームが頭ひとつ抜け出すのか」と様々な予測が飛び交ったが、今回の予選で初めて10チームの真の実力が白日の元に晒された(現地はすっかり日も落ちた19時だが……)。

 予選Q1開始時点でのバーレーン・インターナショナル・サーキットのコンディションは気温18度、路面温度22度。日中に実施されたFP3から路面温度が10度近く下がった。

■Q1

 予選は下位5台の足切りを行なう18分間のQ1から僅差の戦いに。マクラーレンのランド・ノリスやレッドブルのフェルスタッペン、フェラーリのカルロス・サインツJr.が序盤からトップタイムを争い、1回目のアタックを終えた時点でトップに立ったサインツJr.の1分29秒909から脱落一歩手前の14番手、RBの角田裕毅までが0.972秒差という接戦だった。

 各ドライバーは路面の改善もあり、2セット目のソフトタイヤで軒並み自身のタイムを更新。フェラーリ勢やレッドブル勢が本格アタックを行なわなかったことも関係しているが、アストンマーティンのランス・ストロールが2番手まで大きくタイムを上げた。

 レッドブルやメルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティン以外のチームでは、RBとハースが2台をQ2に送り込み、ウイリアムズのアルボンも9番手に食い込んだ。

 一方、キック・ザウバー勢とウイリアムズのローガン・サージェント、アルピーヌ勢が脱落。しかしQ1最速のサインツJr.から最下位のピエール・ガスリー(アルピーヌ)までは、わずか1.039秒だった。

■Q2

 トップ10入りを決める15分間のQ2も、Q1に続きわずかなタイム差が明暗を分けるセッションとなった。

 Q2序盤からレッドブル勢は新品ソフトタイヤを投入し、フェルスタッペンが1分29秒374でトップへ。チームメイトのセルジオ・ペレスも2番手で続いた。ただ手持ちタイヤの都合もあり、ここではライバルの多くがユーズドタイヤを使用。彼らの本気のアタックは2セット目となった。

 残り3分から始まったトップ10への生き残りを賭けたQ2最終アタックでは、通過に十分なタイムを記録したフェルスタッペン以外のドライバーが新品ソフトタイヤを投入。軒並みタイムを更新し、フェラーリのシャルル・ルクレールが1分29秒165でトップタイムをマークした。

 RBの角田裕毅は1分30秒129で一時Q3進出圏内に入ったものの、最後にアタックを行なったメルセデスのルイス・ハミルトンにはじき出される形で11番手。10番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)までは0.007秒差と悔しい結果となった。

 レッドブルとフェラーリ、メルセデス、マクラーレンが2台でQ3進出。アストンマーティンはアロンソが5番手、ハースのニコ・ヒュルケンベルグが6番手で上位に食い込んだ。一方でRBの2台とストロール、アルボン、ケビン・マグヌッセン(ハース)がQ2で脱落となった。

■Q3

 ポールポジションを決める12分間のQ3。序盤のタイム計測ではドライバーによってタイヤ選択が分かれた。新品タイヤを履くフェルスタッペンが1分29秒421でトップに立ち、同じ新品タイヤのラッセルが1分29秒603で続いたが、ルクレールは比較的フレッシュなユーズドタイヤでその間に割って入った。

 残り6分を切ってQ3のアタック1回目を終えたドライバーが一度ピットへ戻る中、コースインのタイミングを遅らせたアロンソはひとりでタイム出し。1分29秒542でラッセルを上回った。

 他の9台はその後に最終アタック。マクラーレン勢を先頭に最後のタイム計測に飛び出していった。

 マクラーレン勢やメルセデス勢はフェルスタッペンの出した暫定タイムを上回れず。そのフェルスタッペンは自身のベストタイムをさらに更新する1分29秒179を叩き出し、後続を突き放した。ルクレールは追いすがるも0.228秒差で2番手、ラッセルも0.306秒差で3番手にとどまり、フェルスタッペンが2024年開幕戦のポールポジション獲得を決めた。

 4番手にサインツJr.が並び、その後ろはペレス、アロンソ、ランド・ノリス(マクラーレン)、ピアストリ、ハミルトン、ヒュルケンベルグというトップ10となった。フェルスタッペンから9番手のハミルトンまでが1分29秒台を記録しており、その差は0.531秒と最後まで僅差の予選となった。