ジャック・ミラー(KTM)は同陣営のルーキーであるペドロ・アコスタ(GASGAS)の走りに注目しており、彼のようにライディングをしたいと考えている。

 2024年シーズンに最高峰クラスへ昇格してきたアコスタは、開幕戦から力強い走りを披露。そして第2戦ポルトガルGPでは7番グリッドから3位表彰台を獲得し、最高峰クラスでは史上3番目に若い表彰台フィニッシャーとなった。

 弱冠19歳のこの若手ライダーは、KTMのファクトリーチームに所属するジャック・ミラーとブラッド・ビンダーを上回る結果を、わずか2戦目で記録。この点も見逃せないだろう。

 ミラーはアコスタに5周目にオーバーテイクされたが、そのライディングに注目。新人から学べることは多いと考えている。

「彼は実際にはバイクに乗っているんじゃない。バイクからほとんど降りているようだ」

 ミラーはそう冗談めかして語った。

「ほとんどの部位が地面につきそうなんだ。頭だって地面に擦りそうなほどさ」

「あのスタイルは印象的だ。特に後ろから見るとね。僕もああやって乗りたいと思うよ。僕はちょっとスタイリッシュじゃないかもね」

「彼は上手くライディングしていて、バイクを思うままに乗れている。それはポジティブなことだろう」

「僕らはこの12ヵ月間でKTMのバイクを信じられないほど改善してきていて、彼はそこから最大限アドバンテージを引き出している」

「今、僕たちは彼をターゲットとして活用して、彼のやっていることを理解し、彼から学ぼうとする必要があるんだ。僕は29歳だけど、毎回のレースで今も学んでいるんだ」

 若手ライダーがMotoGPに新しいライディングスタイルを持ち込んでいるのかと尋ねると、ミラーは「100%そうだ」と答えた。

「(ホルヘ)マルティンと彼を見ればいい。彼らはほとんど路面に触れそうな感じで乗っている」

「2016年の僕のスタイルを振り返って、今と比較してみれば、僕のライディングスタイルもかなり変わっている」

「でも当然ながら十分じゃない。僕は取り組みを続けていく必要がある。もっとピラティスをやってみるよ」

 またミラーは、ポルトガルGPではアコスタに対しては太刀打ちできなかったとも語った。

「(アコスタに対抗する)チャンスは本当に無かった」とミラーは言う。

「僕とブラッドはブレーキングゾーンでかなり接近していた。でも僕は、縁石にはみ出してしまった。そしてペドロに対しては、スペースをオープンにしておいた」

「ペドロのライディングは素晴らしかったよ。ブラッドを追い抜いていくと、彼はさらに加速していった」

「ブラッドと僕は彼を追いかけたけど、どうすることもできなかった。彼は調子が良さそうだったよ」