GASGASから2024年にMotoGPクラスへデビューしたペドロ・アコスタ。好調な彼にはチャンピオンシップ争いも可能という声も聞こえてくるが、アコスタとしては眼の前のレースに集中したいと語っている。

 アコスタはデビュー戦から高いパフォーマンスを示し、トップライダー達と上位争いを展開。第2戦ポルトガルGPでは早くも表彰台を獲得した。

 そして第3戦アメリカズGPでも、アコスタは強さを発揮。決勝レースでは集団をリードし、優勝も狙える位置を争った。最終的にはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)に敗れて2位となったが、最年少連続表彰台記録を塗り替えるという快挙だった。

 アコスタはMotoGPクラスで初めてレースをリードしたことについて、MotoGP.comに次のように語った。

「僕がどれほど楽しんだか、みんなには想像もつかないと思う。Moto3の頃はこんな風にはあまり楽しめなかったんだ」

「素晴らしいレースだった。『マーベリックに抜かれるまでは』と注釈が付くけどね。とにかく、週末の内容やチーム内での仕事ぶりなどについて、とても満足しているよ」

 そしてアコスタはトップを走っている際の難しさについては、次のように答えた。

「そうだね、感情としては同じようなものだけど、タイヤのコントロールには苦しんでいた。昨日(スプリント)はホルヘ(マルティン/プラマック)が追い抜いていったときに少し苦しんでいて、リヤをオーバーヒートさせないようにしていたんだ。落ち着くのには苦労したけど、何もクレイジーなことはしなかった」

 ビニャーレスに敗れたことについてアコスタは、「できることは全てやった」と語っており、今回勝つチャンスはなかったとも語っている。

 最年少表彰台記録を塗り替えるなど、ルーキーという枠に収まらない活躍を見せているアコスタには、気が早いもののタイトル争いも可能だという意見も出ている。

 マルク・マルケス(現グレシーニ)以来のルーキー王者実現の可能性について、アコスタは冷静に目の前のレースのことだけを考えていきたいと、過度な期待をかわしている。

「いやいや、チャンピオンシップのことについてじゃなくて、まずはヘレス(スペインGP)について考えよう」

「周囲からその話は聞こえてくるけど、プレッシャーにしかならないよ」

「僕たちはこのチームとバイク、そして(KTMやGASGASなどを傘下に置く)ピエラー・モビリティと素晴らしい時間を過ごしている。この瞬間を楽しみつつ、チャンピオンシップを争えるかどうかを考えよう。長いシーズンの中で、それは今の優先順位じゃないけどね」