牝馬限定のGIでサンデーレーシングの無双状態が続いている。驚くべきことに22年秋華賞のスタニングローズから23年阪神JFのアスコリピチェーノまで9連勝中なのだ。そのうち4勝を挙げているリバティアイランドの貢献度が高いことは間違いないが、他の5勝は全て異なる馬が挙げたもの。それだけに層の厚さを認めざるを得ない。

【近9回の牝馬限定GIの勝ち馬】
・22年秋華賞:スタニングローズ
・22年エリザベス女王杯:ジェラルディーナ
・22年阪神JF:リバティアイランド
・23年桜花賞:リバティアイランド
・23年ヴィクトリアM:ソングライン
・23年オークス:リバティアイランド
・23年秋華賞:リバティアイランド
・23年エリザベス女王杯:ブレイディヴェーグ
・23年阪神JF:アスコリピチェーノ

 今週末の桜花賞(3歳牝・GI・芝1600m)で10連勝なるか。牝馬クラシック開幕戦には豪華4頭がエントリーしている。エース格は昨年の最優秀2歳牝馬のアスコリピチェーノ(牝3、美浦・黒岩陽一厩舎)。昨年6月のデビュー戦から大事に使われ、新潟2歳S、阪神JFと無傷の3連勝を決めた。休み明けでの参戦となるが、前走が中14週、今回が中16週なら心配は無用。史上9頭目となる無敗での戴冠が期待される。

 これに続くのがクイーンC覇者のクイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正厩舎)だ。グレナディアガーズの半妹という良血馬。リバティアイランドと同じ、中内田厩舎×川田将雅騎手のタッグというのが頼もしい。さらにチェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也厩舎)は昨秋のアルテミスSの勝ち馬。今回は約半年ぶりの実戦となる点がカギだが、阪神JFに出走していれば大本命と目されていた逸材。仕上がり次第では圧勝があっても不思議ない。もう1頭はアネモネSで2着だったテウメッサ(牝3、美浦・金成貴史厩舎)。実績では見劣るが、曾祖母に99年2着のフサイチエアデール、一族には19年3着のクロノジェネシスがいる血統馬。大一番で覚醒しても驚けない。

 昨年まで7年連続で馬主リーディングを獲得しているサンデーレーシングは、今年も当然のように首位をキープしている。さらには先々週の高松宮記念をマッドクールで制し、馬主として史上初となるJRAのGI26レース完全制覇を達成するなど、勢いは留まるところを知らない。桜花賞は09年ブエナビスタ、12年ジェンティルドンナ、19年のグランアレグリア、23年のリバティアイランドと過去4勝の得意レース。首位で並んでいる社台レースホースを突き放して単独トップとなる5勝目、そして牝馬限定GI10連勝となる可能性は限りなく高そうだ。