アーセナルに所属するDFベン・ホワイトがイングランド代表への招集を拒否したようだ。14日、『BBC』や『アスレティック』など複数のイギリスメディアが伝えている。


 現在26歳のホワイトは2021年夏にアーセナルに完全移籍加入。初年度は右センターバック(CB)を主戦場に活躍すると、フランス代表DFウィリアン・サリバが復帰した昨シーズンからは、右サイドバック(SB)の主力を務めている。ここまで公式戦122試合に出場し4ゴール9アシストをマークするなど、ミケル・アルテタ監督率いるチームに欠かせぬ存在となっており、現地時間14日には新たな長期契約の締結が発表された。


 そんなホワイトは2021年6月にイングランド代表デビュー。同年のEURO2020に臨むメンバーにも選出され、ここまで国際Aマッチ通算4試合に出場している。しかし、FIFAワールドカップカタール2022期間中に「個人的な理由」でチームを途中離脱すると、それ以降は一度も召集されず。アーセナルとの契約延長と日を同じくして発表された最新のメンバーにも名を連ねることはなかった。


 所属クラブで安定したパフォーマンスを披露しながら、ナショナルチームの活動からは遠ざかっているホワイト。イングランド代表を率いるガレス・サウスゲート監督は召集外の理由について「現在の調子から言えば、彼は明らかに出場する資格がある。先週、ジョン・マクダーモット(イングランド代表のテクニカルディレクター)にエドゥ(アーセナルのテクニカルディレクター)から電話があり、ベンは現時点で代表に選ばれたくないと言われたよ」と言及。選手側が代表活動への参加を辞退したことを明かした。


 14日のイギリスメディア『アスレティック』は、ホワイトが招集を拒否した背景には複数の事情が絡んでいると指摘。トレント・アレクサンダー・アーノルド(リヴァプール)やキーラン・トリッピアー(ニューカッスル)ら右SBに豊富なタレントを抱えるイングランド代表で序列が低い状態が続いていることに加え、代表活動とクラブキャリアの両立が困難だという選手自身の考えが今回の決断の背景にあるとされている。


 また、過去の代表活動中に発生した“事件”の影響を指摘する声も挙がっている。一昨年末のFIFAワールドカップカタール2022期間中、ホワイトはミーティングにてアシスタントマネージャーを務めるスティーブ・ホランド氏に全選手の前で叱責されたとのこと。詳細については明らかになっていないが、この時に「自分がプレーしないサッカーの試合は興味がない」という自身の過去の発言を揶揄されたようだ。なお、ホワイトはプライベートにおいてサッカーの試合等を全く観ないことでも知られている。


 サウスゲート監督は今回のホワイトの決断を受け、「非常に残念だ。私は彼が大好きだし、EUROやワールドカップに連れて行った選手でもある。カタール後に私が彼と話をしたのは、代表に選びたかったからだ。しかし、彼には明らかに遠慮があったし、それがなぜなのかは分からない」とコメント。自身やホランド氏との関係性については「何の問題もない」と強調している。