ブラジル生まれの格闘技「ブラジリアン柔術」で世界に挑む仙台市の男子大学生がいます。7月にアメリカで行われる世界選手権に向け闘志を燃やす男性の思いに迫りました。

自称「格闘技バカ」鈴木淳斗さん

相手の一瞬の隙を狙い寝技を繰り出す格闘技、「ブラジリアン柔術」。

TBC

仙台市の鈴木淳斗さん(21)は、柔術を始めてからおよそ3年です。

鈴木淳斗さん:
「『格闘技バカ』っていってるのも、人の試合見てこの技、面白そうだなとかそういうのをすぐ真似して、一応自称なんですかね、『バカ』なのかな」

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自身を「格闘技バカ」と呼ぶ鈴木さん。7月にアメリカで開催される世界選手権に出場します。

鈴木淳斗さん:
「自信家ではないので、絶対優勝してきますっていうのは口では言えないんですけど、学生の集大成としてはこの大会が最後かもしれない」

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世界の頂点を目指す鈴木さんは道場内でも一目置かれる存在です。

柔道・レスリング、そして「ブラジリアン柔術」へ

道場の先輩:
「茶目っ気のあるかわいい選手かな。そのなかでも日々努力して貪欲に成長しようとしてる選手ですね」

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草柔会 岩渕貴司代表:
「『際』のギリギリの部分で競り合って最終的にいいポジションをとるとか、そういう部分は普通の人では見れないような才能を感じました」

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宮城県村田町出身の鈴木さん。

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格闘技好きの父の影響で幼稚園から柔道を始めました。小学生になるとレスリングにも挑戦し、高校3年生のときには国体5位入賞の成績を収めました。

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高校卒業と同時に格闘技を引退するつもりだったものの、なにかを続けたいと選んだのがブラジリアン柔術でした。

鈴木淳斗さん:
「専門で2年で資格をとって、介護の仕事しようと最初は考えていたんですけど、専門学校入ってなんか格闘技やらないのも嫌だなと思って柔術を始めた」

才能は瞬く間に開花。去年、愛知県で行われたアジア大会では青帯フェザー級で見事、優勝を飾りました。

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6分間で打撃は禁止、関節技や絞め技でギブアップを取るか、有利な体勢を取ると獲得できるポイント数で競うブラジリアン柔術。幼い頃からの柔道やレスリングの経験は、鈴木さんを支えているといいます。

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鈴木淳斗さん:
「僕の場合はポイントや判定で勝つような試合が多いので、ラスト1分で取るぞっていう感覚とかは柔道とかレスリングでも同じですし。ただ柔術始めた人たちに比べたら大きいかなと思います」

鈴木さんは去年、専門学校から系列の東北文化学園大学に編入し、介護や福祉について学んでいます。

障害者スポーツイベントを企画したい!

将来は、聴覚障害のある人のための格闘技のイベントを開催するなど、自身の経験を生かした仕事をしたいと話します。

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鈴木淳斗さん:
「大学編入するにあたって、障害者スポーツのことをやりたいなと思っていて、聴覚障がい者関係のことをしたいと思っていて。格闘技のイベントと障害者のイベントをどんどん盛り上げたいなと思うので」

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鈴木さん、この日は行きつけだという唐揚げ店へ行きました。

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鈴木淳斗さん:
「世界大会で着るラッシュガードできたんで見せに来ました!」
店の人:
「似合うじゃん!」

TBC

この店はスポンサーとして鈴木さんを支援しています。世界に挑戦する鈴木さんの姿に感銘を受けたといいます。

からあげ丼日の家 西塚清祠さん:
「基本的にはご飯担当みたいな感じだと思ってます。そこ(世界)に行くまでの準備段階とかも自分で一生懸命やってるところに関しては、本当に心から応援したいと思っています。頑張ってください」

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日々、トレーニングに励む鈴木さん。競技を続けるうえでつらいのが「減量」だと話します。

つらい減量に耐えられるのも「周囲の支え」があるから

鈴木淳斗さん:
「僕の場合はカロリーとかじゃなくて量で、500グラムのご飯食べたら500グラム(体重が)増えるっていう計算で」

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ボクシングなどのように前日計量ではなく、試合の直前に計量を行うブラジリアン柔術は、柔道やレスリングで何度も減量を経験してきた鈴木さんでも過酷だといいます。

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鈴木淳斗さん:
「ブラジリアン柔術の場合は、試合の始まる2〜4試合前に(体重計に)乗って、もう試合が始まるまで待つっていう感じなんですね。ボクシングの選手みたいにめっちゃ食って体重を戻すとかっていうのができないのが、ちょっと柔術やってて辛いなと思ってるところです」

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厳しい鍛錬を重ねる鈴木さん。周囲からの支えに応えたいとさらなる高みを目指します。

鈴木淳斗さん:
「唐揚げ屋さんとかでごはんを提供してもらったり、先輩たちには減量するときに相手になってもらったりとか、自分一人ではそういう入賞が出来なかったわけだしいちばんはそういう支えてくれたみなさんに優勝っていう恩返しをしたいなと思ったのが大きな理由」

たくさんの感謝を胸に。鈴木さんは世界王者への道を一歩ずつ進み始めました。

鈴木淳斗さん:
「自分が世界大会でどこまで勝てるかも未知数。アメリカでひとつでも多く勝って、1試合でも多くやりたいなと思っています」

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世界選手権は7月8日・9日にテキサス州で開催されます。ブラジリアン柔術はルーツはブラジルですが、アメリカを中心に競技人口が多くなっています。鈴木さんのライバルはアメリカの選手たちです。鈴木さんは、クラウドファンディングでアメリカへの渡航・滞在費用35万円を募っています。22日午後5時の時点で26万5500円、クラファンは「まちくる仙台」サイト内で30日までとなっています。