ニューオリンズ・ペリカンズは現地時間3月19日(日本時間20日、日付は以下同)から幕を開けたアウェー4連戦を3勝1敗で切り抜け、24日終了時点でウエスタン・カンファレンス5位の44勝27敗(勝率62.0%)と好位置をキープしている。

 22日のマイアミ・ヒート戦、ペリカンズは111−88で快勝したものの、ザイオン・ウィリアムソンはフィールドゴール成功率28.6%(2/7)で今季ワーストの4得点に終わっていた。

 しかし24日のデトロイト・ピストンズ戦で見事復調。23歳のフォワードは、36分29秒のプレータイムでフィールドゴール成功率92.9%(13/14)と高確率でショットを沈め、今季最多タイの36得点に7リバウンド、6アシスト、2スティールを叩き出し114−101でチームを勝利へ導いた。

「チームメイトたち、コーチ陣が俺を信頼してくれていることはわかっている。この試合を迎えるにあたって、俺はなんとしてでも勝ちたかったんだ」
  そう勝利を喜んだザイオン。現在ペリカンズはチーム2位の平均20.9点に5.1リバウンド、5.8アシストをマークするブランドン・イングラムを左ヒザの骨挫傷で欠いているが、ピストンズ戦ではCJ・マッカラムが23得点、7アシスト、ナジ・マーシャルが14得点、8リバウンド、3アシスト、ヨナス・ヴァランチュナスが13得点、6リバウンドで彼の不在をカバーした。

「俺は勝ちたい。コーチ陣、チームメイトたち、この組織も、俺ら全員が同じマインドセットを持っている。とにかく俺らは勝ちたいんだ」

 プレーオフに向けてそう意気込んだザイオンだが、2019年のドラ1はプレーオフ経験は皆無。ペリカンズは一昨季に進出を飾るも、この時ザイオンは足のケガのため全休していた。

 昨季も平均26.0点、7.0リバウンド、4.6アシスト、1.1スティールにフィールドゴール成功率60.8%と立派な数字をマーク。しかし昨年1月上旬に負ったハムストリング負傷からの回復が遅れてしまったことで、残り試合を全休、チームもポストシーズンを逃していた。
  そのため、2年ぶりのプレーオフ返り咲きへ向けて順調なシーズンを送るペリカンズにとって、ザイオンがこのシーズン終盤を迎えても健康体を保てていることは大きい。

 公称198cm・129kgという屈強な肉体を持ちながら、常にコンディショニング面が問題視されていたザイオンは、昨年12月にインシーズン・トーナメントが行なわれてから、25ポンド(約11.3kg)かそれ以上を減量していたと米スポーツ専門局『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト記者が先日報道していた。

 その減量効果もあってか、今季は60試合の出場で平均30.9分、22.6点、5.9リバウンド、5.0アシスト、フィールドゴール成功率58.6%を記録。あと1試合プレーすれば、キャリア2年目の2020−21シーズンに並ぶ自己最多の出場試合数(61)へ達する。
  4位のロサンゼルス・クリッパーズ(44勝26敗/勝率62.9%)とのゲーム差は0.5のため、あとひとつ順位を上げれば、ペリカンズはプレーオフのファーストラウンドでホームコート・アドバンテージを獲得することが可能だ。

 そのなかでザイオンは「(4位の座を)獲得できたら最高だろうね。この街、チームにとっても素晴らしいこと。でも俺たちは手持ちのカードで戦っていかないといけない。順位表のどこで自分たちが終えるかに関係なく、俺らは自分たちの力を最大限に出し切っていく」と意気込んでいた。

 ペリカンズとしては、レギュラーシーズン残り11試合のうち、今季20勝13敗と勝ち越しているホームで7試合戦えるだけに、ここで白星を増やしてウエスト4位以内を目指したいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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