簡単なようで難しい、銀座デートのレストラン選び。老舗の人気レストランもいいけど、新鮮さがほしいところ。

銀座らしい上質さがあって、今っぽいシーンにも対応できてこそ、“イマドキ”の店選びではないか。

中華、和食、メキシカン、焼き鳥、蕎麦、鰻。バラエティに富んだ、銀座で話題の店6軒をご紹介!


1.焼売からフカヒレまで、約60品目を誇るアラカルトにハズレなし
『江戸中華 よし町』


2022/12/12 OPEN



高級中華“やまの辺”が、町中華を昇華する!


ご存じ、『銀座 やまの辺 江戸中華』の山野辺 仁さんが、銀座に町中華をオープンさせた。

食べ慣れた人も満足する豊富なアラカルトで、日々、常連を増やしているという。


ヴィンテージライクな空間で肩肘張らずに本格中華。これぞ銀座の大人の新たな嗜み


メニューを開くと一層お腹が空く。ずらりと並ぶ料理は約60種。

「8丁目の麻婆豆腐」や「よし町秘伝の蟹玉」と、なじみ深い料理もこだわりが深そうで、流石、山野辺 仁さんが手掛けた店だ。

店名はかつて銀座8丁目にあった『日本橋 よし町』が由来。

その店は山野辺さん曰く、「粋な銀座の町中華」。戦後に鶏を潰してスープをとって、その日仕入れた食材で丁寧に料理を作る町中華の源流を表す店だった。

敬愛する店のリメイクとして同じ8丁目に開業したのが、『江戸中華 よし町』だ。


化学調味料不使用の軽やかな味わいが、町中華の概念を変える


『よし町』のレシピを継ぐ焼売でワインを飲むのも、飲んだあとにふらりと正油ラーメンを食べに来るのもあり。



名物「よし町の豚肉しゅうまい」。

豚の脂身の少ないところをブレンドし、純粋に豚肉の味と食感を楽しむシンプルな焼売1個 180円。



出汁で炊いたフカヒレが中に入った「手羽先のフカヒレ詰めパリパリ揚げ」1本 1,490円。



一方、初デートや会食に利用する人もいる。フカヒレや北京ダックといったご馳走もあるから、楽な雰囲気のなか舌では贅沢することもできる。

化学調味料を使わずに、厳選した油や塩を使っていると、食べれば分かる。しっかりとした味わいでいて重たさは感じさせないからだ。


〆の飯&麺もかなり豊富


胡麻が香ばしい「金胡麻の稲庭坦々麺」ハーフ 980円。



卵白炒飯がベースの「カラスミ炒飯」ハーフ 1,800円。



再訪率はかなり高いという。

絶対に美味しいものが食べられる安心感で、つい駆け込んでしまうのだろう。


―『銀座 やまの辺 江戸中華』をおさらい ―
ハレの日利用に外せない銀座を代表する高級中華


2015年に閉店した銀座8丁目の『日本橋 よし町』跡地を引き継ぎ、同年夏に開業。

日本最高峰の旬の食材を集め、中華の技術でその持ち味を活かすコースを提供する。贅沢な気持ちに満たされるので、記念日向き。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「『日本橋 よし町』のシェフから引き継いだこの場所。さまざまな大人が行き交う銀座だからこそ、多様なシーンに寄り添う町中華をやりたいと思い開業しました」


■店舗概要
店名:江戸中華 よし町
住所:中央区銀座8-5-26
TEL:03-6264-5655
営業時間:【月・火】17:30〜(L.O.21:30)
     【水〜金】ランチ 11:30〜(L.O.14:00)
          ディナー 17:30〜(L.O.21:30)
     【土・祝】ランチ 11:30〜(L.O.14:00)
          ディナー 17:30〜(L.O.20:30)
定休日:日曜、不定休
席数:カウンター3席、テーブル5席(20席)


2.季節の味覚を軽やかに盛り込んだコースが、大人の食偏差値を上げる
『銀座 かく悟』


2022/3/30 OPEN



“うち山イズム”を受け継ぐ注目店が、歌舞伎座裏に!


日本料理の激戦区である銀座で、最高峰に数えられる『うち山』。

その暖簾分け『徳うち山』で活躍した実力者が自身の店を構えたのも、やはり銀座だった。名店由来の腕で、四季の移ろいを楽しめる。


季節の食材の持ち味が活きるよう、見た目にも気を使って丁寧に調理したい


常連の大半が『徳うち山』時代からの客だという。それほど同店の料理長だった木村圭介さんの味に引かれ、追いかけてしまう。

『銀座 かく悟』で木村さんが提供するのは、和食歴26年の集大成だ。


修業先の定番もちりばめられたコースは、全品の仕上げが絶妙な加減


前店からおなじみの「からすみ蕎麦」も登場し、本人は「自家製のからすみと自家製じゃない蕎麦です(笑)」と、飾らぬ解説をするが、柔らかで塩味が丸いからすみは確かな仕事でしかなし得ないあんばい。

これ目当てに毎月通う人もいるというから、引力が強い。


『うち山』譲りの鯛茶漬けで〆る!


師匠・内山英仁さんの十八番である“銀座名物”「鯛茶漬け」はここでも提供。



加えて木村さんこその個性が表れるのが「フカヒレの松葉蟹餡がけ」だ。

鰹昆布だしと貝柱の出汁でフカヒレを炊いて唐揚げにしただけでも贅沢なのに、仕上げにかけるのは旬を迎えた松葉ガニの身がたっぷりと入った餡。

カニは繊維が太い立派なものが選ばれ、竜が描かれた有田焼の器も美しい。



『銀座 かく悟』の「お椀」。

「お雑煮代わりなのでおめでたい感じに」と、年始から提供される。タラの白子に大根やにんじん、海老芋を合わせ、白味噌仕立てに。

上品な風味の味噌は料亭御用達の京都『山利』から。



細部まで華やかな逸品は、特別な夜を彩るだろう。



連れの笑顔もいつになく増えるはずだ。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「前店のお客さまが来てくださることも見越して銀座に。学んだ店が近くにあり、食べ慣れた方や落ち着いた方が多いと知っていたので銀座以外は考えられなかった」


■店舗概要
店名:銀座 かく悟
住所:中央区銀座4-12-1 VORT銀座イーストⅡ B1F
TEL:090-7881-3705
営業時間:ランチ 11:30〜14:30
     ディナー 18:00〜22:00
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター5席、個室2(2席、6席)


3.オーガニックでアーティスティックなメキシカンが地球を救う!?
『ETHICA』


2022/8/25 OPEN



美味しくスタイリッシュに実現する“環境保全”が銀座のセンス!


日本ではあまり普及していない「エシカル」という言葉は、“社会や環境に優しいもの”を消費するという意味。

その考えを体現するメキシカンが銀座に誕生し、感度の高い大人を集めている。



一度『ETHICA』に行けば、店のテーマである「エシカル×伝統メキシカン」とは何かを把握できる。

まず、完全予約制なのもエシカルのひとつ。いまやありふれているが、それもフードロス削減につながると気づかされる。


暖色のライトが照らす、朽ちた木材を再利用した壁からにじむ温かみ


廃材を使った内装もテーマに則し、メニューには増え過ぎた竹害を考慮し竹パルプを使用。

そんなハード面のこだわりが多々ある中、最も斬新なのは“エシカルにして美味しい”ということ。

環境への配慮を大きく謳う店で食指が動く店が少なかったのは否めないからだ。


現地修業も経験したメキシカンの新鋭が、食材の未来を明るく照らす


シェフはメキシコでの修業経験もある中島哲男さん。

本場の味と日本版エシカルを融合させることで、世界でひとつの料理を生み出し続ける。



例えばチーズフォンデュのタコスには駆除で獲られた猪を使い、生地には日本の原種である北海道の八列とうもろこしを使用。

古代の原種を守る意味もあるが、これが風味豊かで猪のコク深さや溶けたチーズとマッチする。



また、鴨にかかる薬膳モレ(30種以上の食材が入るメキシコの伝統ソース)は現地を知る人も唸る味わい。

正直、環境に興味がない人でも満足するだろう。



「白子のアグアチレ(唐辛子水)大和橘の香り」には日本最古の柑橘である大和橘を使用。

白子のクリーミーさに独特の酸味とほろ苦さが重なり、稀少な葉パクチーも良いアクセントに。

料理はすべてカジュアルコース(7,800円)より。


事前予約でメッセージプレートも!


季節の果物が添えられたグルテンフリーのチーズケーキは、チーズが極めて濃厚。

好きな文字を描いてもらえるのでお祝いに最適だ。


ペアリングはすべてナチュラルワイン


“ミシュラン”に新たに設けられた「セレクテッドレストラン」に選出されたのも頷ける。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「エシカルが普及しやすいのは心にも経済的にも余裕がある大人の女性。そのターゲットは京橋や丸の内で働く女性に当てはまり、最寄りの銀座一丁目にしました」


■店舗概要
店名:ETHICA
住所:中央区銀座1-3-3 東亜ビル 1F
TEL:03-6228-7313
営業時間:【火】17:30〜(L.O.20:30)
     【水〜日】ランチ 11:30〜(L.O.13:00)
          ディナー 17:30〜(L.O.20:30)
定休日:月曜
席数:テーブル6席(16席)


4.キャリア20年の技が光る一軒が、銀座の新しき“正統派”に
『焼鳥 ひら野』


2022/2/17 OPEN



銀座8丁目にオープンして2年ながら、すでに名店の呼び声も高い『焼鳥 ひら野』。

クリーンな空間でいただく、腕利き大将による焼き鳥コースが大人を満足させる。


煙臭さとはまったく無縁の洗練されたカウンターで、焼き鳥の奥義を極めた職人技を味わう愉悦


「串打ち3年、焼き一生」と、習得するのに長い修業が必要とされる焼き鳥の世界。

東京を代表する名店『鳥善 瀬尾』などで活躍し、焼き鳥職人としての腕を約20年にわたって磨き続けてきた平野郁侍さん。

「焼き鳥を鮨や天ぷらに匹敵する料理へ昇華させる」という志を抱いて、2022年2月『焼鳥 ひら野』を銀座に開いた。



その火入れは、“焦げを育てる”をテーマにした伝統的な手法“近火の強火”。

クセが少なく、鮮度を重視した仕入れを実現できる「甲斐信玄鶏」を紀州備長炭の強火でギリギリまで焼き込み、旨みが最高潮に達したのを見極めて提供する。

扇ぎや串捌きで火加減を調整するのにも一切の無駄がない。


鮮度を突き詰めた「甲斐信玄鶏」を用いて、各部位の個性を余すことなく引き出す


メニューは、串焼き10本と季節の一品料理、〆ものなどで構成されるおまかせ一本。



「皮」。多彩な食感の共演を楽しんでほしい。



タレをつけてサッと火入れした「レバー」。

口の中でプルッと弾けたかと思えば、ジュワッと旨みが溶け出す。


〆は3種類からチョイス!


築地『宮川食鳥鶏卵』で仕入れる濃厚な卵を使った「親子丼」。



鶏白湯で仕立てた「稲庭うどん」。五臓六腑に沁みる優しい味わい。



肉の味わいを堪能できるように、白米とそぼろの割合にもこだわった「そぼろ丼」。

すべてコース(8,800円)より。


コースは振る舞いの御味酒(おみき)からスタート!


御神酒ならぬ“御味酒”。

焼き鳥の前に口を清めるため、着席すると鹿児島・西酒造に特注した「天賦 純米大吟醸」が供される。



完全キャッシュレス会計を採用しているのも潔い。



また、夕方16時から営業しているので、ショッピング後にサッと立ち寄るなんて使い方も叶うのだ。

熟練の職人技と、時流をとらえたサービスの融合。スマートな焼き鳥はデートにも心強い。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「東京の玄関口、丸の内で世界中のお客さまを接客したこともあり、名店ぞろいの銀座でも勝負できる自信がつきました。焼き鳥というジャンルがもっと評価されるよう精進したいです」


■店舗概要
店名:焼鳥 ひら野
住所:中央区銀座8-12-15
TEL:03-6281-5958
営業時間:16:00〜23:00 ※完全予約制
定休日:日曜
席数:カウンター12席、個室1(6席)


5.中華の要素も楽しめる「蕎麦コース」が、上質な夜を約束する
『蕎麦割烹 橙』


2023/12/13 OPEN



黒が基調のモダンな設えとカウンター席が、ふたりを上質な時間へ誘う


老舗の蕎麦店とも高級割烹の蕎麦とも一線を画す、真摯に蕎麦に向き合う名手と中華の巨匠が共演する蕎麦割烹が銀座に誕生。

出汁や滋味をしみじみ味わう粋なディナーが、大人の気分に寄り添う。



中華と蕎麦。異色のジャンルを掛け合わせた新店が、2023年の年の瀬に滑り込むように誕生した。


中華の巨匠『Wakiya』の新業態に期待が高まる!


仕掛け人は、中国料理『Wakiya』の脇屋友詞さんだ。

かねてから蕎麦が好物で、全国を食べ歩いていた脇屋さんは「王道の蕎麦に『Wakiya』のエッセンスを加えて蕎麦割烹にしたら面白い」と考えていた。

この密かに温めていた構想を、料理人50年目の節目に実現させたのが、『蕎麦割烹 橙』だ。

香杉一枚板のカウンターに立つのは、山梨の名店『翁』で蕎麦打ちを学んだ店主の森 大和さん。


中華のエッセンスを盛り込んだ、驚きの蕎麦コースは絶品


コースでは、「カラスミそば」、「せいろ」、「鴨そば」の3種類の蕎麦を味わえ、その合間に登場する一品料理は未体験の逸品尽くし。



例えば、スペシャリテの出汁巻きたまご。

箸で割ると中からとろりと最高級のフカヒレが顔を出す。



「せいろ」。

蕎麦粉は北海道の弟子屈産と茨城の常陸秋産をブレンド。二八とは思えないほど蕎麦の香りが立ち、心地良い喉越しを楽しめる。

本節と亀節、利尻昆布で出汁を取った蕎麦つゆで頂く。



コースのハイライトは、自家製のカラスミをたっぷり削った「カラスミそば」。

磯の香りや塩気と蕎麦の滋味が三位一体に重なる。ソムリエが提案してくれるワインペアリングもオススメ。



最後に登場する「鴨そば」のつゆでは、脇屋シェフが炊く中華のスープと森さんが引く鯖節と本節の出汁を合わせた、唯一無二の美味に唸る。

話題性抜群の蕎麦割烹が、大人の心もおなかも満たしてくれる。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「新たな挑戦をするなら『ひとつ上のステージで』と考え銀座を選びました。一等地の静かな通りで、デートにも接待にも使える大人の店として根付いていきたいです」


■店舗概要
店名:蕎麦割烹 橙
住所:中央区銀座5-10-5 スリーY‘S&Dビル 3F
TEL:050-3662-0054
営業時間:17:00〜(L.O.21:00)
定休日:不定休
席数:カウンター8席、個室1(4席)


6.創業153年の老舗鰻店で、じっくりとコースを堪能する贅沢
『銀座 四代目 高橋屋』


2021/8/14 OPEN



歌舞伎座そばのスタイリッシュな空間が、今宵の舞台


歌舞伎座後方にそびえる「歌舞伎座タワー」。その並びにスタイリッシュな鰻店がある。

それが、『銀座 四代目 高橋屋』。

この場所を「勝負の地」に選んだ、老舗鰻店の四代目の心意気とは。



「鰻という食文化は、脈々と引き継がれてきた職人技があってこそ。ただ、後世に残すためには、それらを守りながらも、同時に攻めていかなければならない。そう考えています」

そんな使命感に駆られ、老舗鰻店の四代目として高橋明宏さんが選んだのが銀座だった。



扱うのはミネラル感が多く、フレッシュな味わいが特徴の三河一色産の青鰻。



自ら“日本一の仕込み”を己に課し、一匹、一匹、丁寧に捌き、蒸して、焼き上げる。

そんな同店が重宝されるのは現代的な解釈で供されるコースがあるから。


お酒が進む美しき料理のあとは、あっさりした味わいの優しい鰻重で最高の〆を


「うざく」ひとつをとっても、華やかで味も洗練されている。

それが叶うのは、『銀座 小十』などで経験を積んだ料理長の田中翔児さんによるところも大きく、どの料理にも和の技法が息づく。



甘鯛のすり身に鮑、エビなどを合わせた「道明寺蒸し」は隠れた名物。



“カリふわ”食感が楽しい「白焼」は、調理前に生きた状態を見せてくれる。



〆の「うな重」に至っては、好みに応じて蒸しと焼きの時間を調整するなど、細かな配慮も光る。

タレは本店と同じだが、よりすっきりとした味わいが好みなら、蒸す時間を長く取るのがオススメ。


実は相性抜群な“うなシャン”に開眼!


白焼きと蒲焼きの両方を受け止めるベストなペアリングは実はシャンパン。

店では「シャルル エドシック」のグラス(3,000円)がオンリスト。両親と久しぶりの再会を祝す一杯にはぴったりだ。


歌舞伎とのゆかりも深く、銀座の魅力を存分に堪能できる


店内の設計は、建築家・黒川紀章さんの愛弟子である松井大輔さんによるもの。スタイリッシュさが際立つ。

街を望める窓際の4名席がオススメ。



店内各所に歌舞伎を想起させるアイテムが。

歌舞伎座の楽屋からオーダーが入ることも日常茶飯事。



銀座の街を眺めつつ、ゆったりと美食を。これ以上の親孝行はない。


【店主に聞いた“銀座で勝負した理由”】


「昔から銀座という場所に憧れていました。インバウンドもありがたいですが、やはり日本人に長く愛されるためにも、銀座が未来を繋ぐと思っています」


■店舗概要
店名:銀座 四代目 高橋屋
住所:中央区銀座4-12-1 VORT銀座イーストⅡビル 4F
TEL:03-3547-0021
営業時間:ランチ 11:30〜16:00
     ディナー 17:00〜22:00
定休日:月曜
席数:カウンター4席、テーブル10席


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