今週は中山、阪神、中京の3場合わせて4重賞が開催され、各陣営も大忙し。3歳2重賞に根性自慢の有力馬2頭を送り出す手塚厩舎も例外ではなく、ダブル勝利に向けて着々と準備が進みます。

 まず土曜日のファルコンSにスタンバイしているのはロジャーバローズ産駒のオーキッドロマンス。前走・クロッカスSでは直線の叩き合いで後続の追撃を前に必死に食い下がるも、ロジリオンにアタマだけ差されての2着。そのロジリオンへのリベンジ戦となる今回は、水曜日の最終追い切りで僚馬2頭を相手にした3頭併せで南ウッド6ハロン81・5―11・4秒と上々の時計をマークしました。

「いつも人気よりは上に来てくれますから」と同馬の“陣営孝行”をたたえていた手塚調教師も「動きは素晴らしいですし、デキに関しては申し分ないです。中京の千四は外になるときついのでうまくいい枠を引ければ。自分のペースを守れればしっかり速い時計でも走れるので」と確かな手応え。好枠を手にしてのリベンジに期待を寄せます。

 一方、日曜日のスプリングSには指揮官が「ガッツのある馬」と評するペッレグリーニがスタンバイ。前走・セントポーリア賞では発馬時に両脇の馬に挟まれる不利を受けながらも、逆にその2頭より前の位置へ。そのまま直線で抜け出すと2着馬をクビ差制し、並外れた根性を見せつけました。

 同馬の最終追い切りはレッドモンレーヴの全弟レッドアトレーヴ、昨年の皐月賞馬ソールオリエンスとの豪華な3頭併せ。調教では目立たない馬ですが、ソールオリエンス相手に直線では粘りを見せるまずまずの内容で、指揮官も「順調ですね。調教は地味でいつも劣勢になってしまいますが、競馬ではガッツがありますからね。展開関係なく小回り千八は向いてると思うんですけど…頑張ってほしいですね」と、皐月賞の優先出走権獲得に向けて腕をぶします。

 今年はまだ重賞勝ちがない手塚厩舎。ここは燃える闘魂が武器の現3歳世代における二枚看板が奮起してのアベック勝利に期待したいと思います!

皐月賞の切符を狙うペッレグリーニ(左)とファルコンSで重賞初制覇をもくろむオーキッドロマンス
皐月賞の切符を狙うペッレグリーニ(左)とファルコンSで重賞初制覇をもくろむオーキッドロマンス

著者:権藤 時大