ゴール前の激戦を制したライトウォーリア(最内)
ゴール前の激戦を制したライトウォーリア(最内)

 川崎競馬場で3日に行われた第73回川崎記念(JpnⅠ、4歳上・ダ2100メートル)は、7番人気のライトウォーリア(川崎・内田勝)が先手を奪い取るとマイペースで運び大接戦を制し、JpnⅠ初制覇を飾った。勝ちタイムは2分15秒5(重)。アタマ差の2着に5番人気のグランブリッジ(栗東・新谷)、さらにハナ差の3着に4番人気のアイコンテーラー(栗東・河内)が入った。

 勝った吉原寛人(金沢・加藤義)と管理する内田勝義調教師(川崎)はともにこのレース初勝利。同師はJpnⅠ競走初制覇となった。

 あいにくの天気となった初のナイター開催での大一番。ドラマティックな展開が待っていた。ライトウォーリアは好スタートを切ると4頭横並びになったが外から先手を主張。道中は息を入れながらマイペースで逃げた。2周目に入っても気分よく先頭で運び、前走で欠いた折り合いも欠くことなく2周目の3コーナーへ。アイコンテーラーが競りかけ4コーナーでまくられそうになるが、そこで鞍上が押して併せ馬の形で直線へ。一瞬、相手に出られそうになる場面もあったが鞍上の叱咤激励に呼応しもうひと伸び。ゴール前外からグランブリッジが強襲してきたがアタマ差封じ先頭でゴールした。

 今年地方全場重賞制覇を飾った吉原寛にとって川崎競馬場は何度も短期免許で騎乗している思い入れのある競馬場。「声援が凄くて涙が出ますけどよく走ってくれました。4コーナー出口まで踏ん張ればチャンスがあると思いました。一瞬、危なかったけど何とか伸びてくれと。直線は長かったです。全場制覇の夢もかない、川崎記念を勝ててのは感慨深いです。本当うれしいです」。名手は感情を爆発させ何度もファンへお辞儀をした。

 内田師にとっては初のJpnⅠ制覇。「前回かかったのでそーっと出して、折り合い重視で乗ってと。ゴール前までドキドキでした。えらい馬です」と、愛馬へ賛辞。「乗り役の時に唯一勝った重賞が(1983年の)川崎記念(カネシヨウスーパー)。10日間飲まず食わずで10キロ減らしてね」と、感慨深くジョッキー時代を振り返り、「何がなんでも調教師として勝ちたかったレース。夢ですよ」と、歓喜に酔いしれた。

 川崎所属馬としてエスプリシーズ以来20年ぶりに制したライトウォーリア。7歳でも衰えるところが進化している感すらある。次走はオーナーとの協議の上決定されるがこの先続くビッグレースでも吉原寛とのコンビで強い姿をみせてくれそうだ。

著者:東スポ競馬編集部