絶滅危惧種に指定され保護対象になっているゾウを巡りアフリカ・ボツワナの大統領の発言が波紋を広げている。その発言は「ドイツに2万頭のゾウを送り付ける」というもの。一体、ボツワナとドイツの間に何があったのだろうか?

■ボツワナ ゾウの過剰繁殖が社会問題化

ボツワナ マシシ大統領
ボツワナ マシシ大統領
「ドイツに2万頭のゾウを送り付けてやる」

 2日、アフリカ南部ボツワナの大統領が、ドイツの日刊紙「ビルト」のインタビューで驚きの発言をし、注目されている。

アフリカゾウ

 絶滅危惧種に指定されているアフリカゾウ。ボツワナでは、2014年から保護活動に力を入れてきた。その結果…。

ボツワナ環境観光省 モドゥカネレ氏
ボツワナ環境観光省 モドゥカネレ氏
「ボツワナでは、毎年7000頭ずつゾウが増えています」

 世界にはアフリカゾウがおよそ41万5000頭いて、ボツワナにはその3分の1にあたる13万頭が生息しているという。

ゾウの過剰繁殖が社会問題化

 ボツワナでは、ゾウの過剰繁殖が社会問題化している。

 ゾウに踏まれて人が死亡したり、農作物や村が荒らされ、経済的な被害も深刻化しているという。

 こうしたなか、野生動物の保護政策を提案したドイツに対し、ボツワナの大統領は「ゾウを送り付ける」としたのだ。

 環境政策を担当する高官はこう話す。

モドゥカネレ氏
「大統領は、ドイツに『13万頭のゾウと暮らすのは容易ではない』ということを印象付けたかったのです。もし、2万頭のゾウと一緒に暮らせるのであれば、2万頭のゾウを差し上げましょう」