2025/4/21 15:41

使い回し...『長時間特番』全くやる気が感じられない「半分以上」が

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一連の騒動がまったく終わる気配のないフジテレビ。スポンサーが一斉に手を引いて2カ月以上が経過し、その影響が番組ラインアップに如実に表れ始めている。番組改編期の4月は、各局とも力の入ったスペシャル番組で新年度のスタートダッシュをかけるが、フジテレビは完全に出遅れている。

「3月から4月は毎日のように長時間特番が放送されますが、フジテレビは全くやる気が感じられませんでした。1日放送の『昭和平成の名場面45連発』と7日放送の『FNSドラマ対抗 お宝映像アワード』は過去の映像の使い回し。5日放送の『新しいカギ』は、半分以上が昨年の『27時間テレビ』の再放送。6日放送の『超ド級!世界のありえない映像大賞』は、動画サイトやSNSから拾ったような衝撃映像を集めただけ。想像以上に、手間も制作費もかからない番組ばかりです。

一方で、2日放送の『奇跡体験!アンビリバボー ミステリーSP』と3日放送の『珍ゴシップ・ザ・ワールド』は、『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)にそっくり。4日放送の『坂上どうぶつ王国 3時間SP』は、開始当初より当時放送されていた『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)の丸パクリという批判が絶えない番組。人のふんどしで相撲を取っている印象は否めず、知恵すらも浮かばないのか……と、フジの企画能力が育っていないことが見て取れます」(民放バラエティ番組制作関係者)

衝撃映像やお宝映像の番組は他局でも人気だが、これだけ並べば壮観だ。さらにイタいのは、フジの不振が騒動に端を発しているわけではないことだ。

「視聴率三冠の常連だったのも昔の話。近年の視聴率は目を覆いたくなるほど壊滅的です。2024年でいうと、世帯視聴率が2ケタに乗ったのはサッカーW杯予選、ワールドシリーズ中継(2回)、『Mr.サンデー』で1回の計4回だけ。今年視聴率が最も良かったのは1月に行われた緊急記者会見で、2ケタに乗ったのはこれだけ。会見視聴率は15%近く取ったので、これが年間ベストになってしまいそうです」(同上)

こうなってくると、最後の望みを託せるのは春ドラマ。まだスタートしていない作品もあるものの、今シーズンのドラマが制作されたのはフジテレビ騒動前なので、スポンサー料がないことによる“手抜き工事”はない……と思いたいが、ドラマ評論家の吉田潮氏は「イチ押しがわかりづらい」と渋い。

まず、4月期の主なフジテレビ系ドラマは以下の通り。

『続・続・最後から二番目の恋』(月曜よる9時/小泉今日子・中井貴一/4月14日スタート)
『あなたを奪ったその日から』(月曜よる10時/北川景子/4月21日スタート)
『人事の人見』(火曜よる9時/松田元太/4月8日スタート)
『Dr.アシュラ』(水曜よる10時/松本若菜/4月16日スタート)
『波うららかに、めおと日和』(木曜よる10時/芳根京子/4月24日スタート)

「『続・続・最後から二番目の恋』は鎌倉を舞台に、敏腕テレビプロデューサー(小泉)と鎌倉市役所勤務の公務員(中井)の恋愛コメディで、2012年1月に第1期、2014年に第2期が放送された人気シリーズの第3期です。坂口憲二の続投も発表され、手堅く狙ってきたなという印象ですね。

『あなたを奪ったその日から』は北川景子が子どもを失って復讐劇に走る母親役。サスペンス要素もある展開は楽しみです」(吉田氏、以下「」内同)

安定感のあるベテランを揃えて月曜日を固めたフジ。火曜日の『人事の人見』では現役アイドルである松田とアイドル出身・元AKB48の前田敦子がエンタメ系ドラマを繰り広げているが……。

「古い熱血体質の残る大企業で、おバカな主人公(松田)と、会社を変えるべく奮闘するヒロイン(前田)がさまざまなトラブルを解決するという内容なのですが、枠組みも演出も古すぎるうえに、突然今っぽい退職代行ネタが出てきたりして、とにかく上っ面。説明がナレーションで挟まるのですが、これも雑で、1話で離脱した人も多かったのでは」

そして水曜日の『Dr.アシュラ』は “アシュラ”と呼ばれるスーパー救命医(松本)が奮闘するストーリー、木曜日の『波うららかに、めおと日和』は芳根京子&本田響矢が昭和の新婚夫婦を演じるラブコメディ。月曜日・火曜日の3作品はオリジナル脚本だが、こちらは両作品とも漫画が原作だ。

「医療モノは飽和状態なので、ヒットはなかなか難しいところではあるでしょう。『波うららかに~』は、若者が昭和レトロをやるということで、朝ドラのような安心感のあるドラマにはなりそう。ただ、どちらも目新しさはなく、ものすごく話題になるイメージは湧きません」

目立って視聴率を稼ぎそうなものもなく、“そこそこ”になりそうな今期のフジドラマだが、吉田氏は「7月期のほうが危ないのでは」と見る。

「ドラマは制作費を削ったらそれが如実にわかるジャンル。年明けからスポンサーが撤退していることを考えると、4月期より7月期のほうが影響を受けているでしょう。いっそ、昔のドラマを流せばいいのでは」

SNSでも、〈昔のドラマを再放送すればいいのに〉という声は少なくないが、とはいえ今のフジテレビの状態でイケイケのトレンディドラマを放送すると、視聴者が“これを作っていた頃はフジがやりたい放題だった時代”だと鼻白んでしまいかねない。

「フジの名ドラマというと、筆頭に上がるのは倉本聰の『北の国から』。あと個人的には、斉藤由貴や南野陽子、浅香唯らが出ていた『スケバン刑事』は、今の40代、50代は懐かしくて食いつきそう。若い世代にも一周回った新鮮さが刺さる可能性はなくもないと思います。あとは昼ドラの金字塔とも呼ばれた『愛の嵐』シリーズですね。無理やり作らず、過去の作品を見直せば再発見があるかもしれません」

フジはいつ、真っ暗闇から抜けられるのかとサイゾーオンラインは報じている。

フジテレビ、再生への険しい道のり 特番は「衝撃映像」と「使い回し」だらけ、春ドラマもパッとせず… | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイトフジテレビ、再生への険しい道のり 特番は「衝撃映像」と「使い回し」だらけ、春ドラマもパッとせず… | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト

編集者:いまトピ編集部