2022年本屋大賞や第43回吉川英治文学新人賞の候補にあがり、現在までに累計発行部数40万部を突破。これまで様々なメディアミックスがされてきた浅倉秋成の同名小説を実写映画化する『六人の嘘つきな大学生』の公開日が、11月22日(金)に決定。このたび本作のキャスト、スタッフ情報が解禁された。

成長著しいエンタテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用で、最終選考に残った6人の就活生に与えられた課題は、1か月後までにチームを作り上げ、グループディスカッションをするというもの。全員で内定を得るため互いに交流を深めていく6人だったが、直前に課題の変更が通達される。「6人のなかからひとりの内定者を決める」。仲間だったはずの6人はひとつの席を奪い合うライバルとなり、やがて彼らの本当の姿が次々と暴かれていくことに。

このたび発表されたのは、“六人の大学生”の中心となる2名のキャスト情報。まず早稲田大学社会科学部の学生で洞察力に優れた主人公、嶌衣織役に『ゴジラ-1.0』(公開中)でのヒロイン役も記憶に新しい浜辺美波。そして立教大学経済学部の学生でムードメーカー的存在となる波多野祥吾役には、この4月から主演ドラマ「Re:リベンジ-欲望の果てに-」も控えている赤楚衛二。『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)で共に主演を務めた2人が再共演を果たす。

また、メガホンをとるのは『キサラギ』(07)で第31回日本アカデミー賞優秀監督賞など数多くの映画賞に輝き、『シティーハンター』(4月25日よりNetflixにて配信)も控える佐藤祐市監督。そして脚本は、劇団「東京マハロ」主宰で、テレビドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」で第35回向田邦子賞を受賞した矢島弘一が担当。まだまだ多くのことが謎に包まれている本作。残る4人の登場人物を演じるのは誰か、さらなる続報に乞うご期待!

<コメント>
●浜辺美波(嶌衣織役)
「『六人の嘘つきな大学生』原作がすばらしく、一気に読み進めてしまいました。映画として作る上での脚本が手元に届き、映画のなかで描かれる嶌衣織が6人でいる環境のなかで、どのような立ち振る舞いをすれば良いのかについて最後まで苦悩していた気がします。それぞれ自身の役で悩んだ時には皆で話し合うこともありました。出演者6人で過ごす日々は濃厚で毎日心が揺さぶられ、なにより熱のある撮影現場でした。試写後の感想会ではいままで経験したどの作品よりも一番盛り上がり、その時に6人で共有した、作品の熱が宣伝、そして映画公開で皆様に伝わることを楽しみにしています」

●赤楚衛二(波多野祥吾役)
「波多野祥吾役を演じさせていただきます赤楚です。今回、『六人の嘘つきな大学生』の出演が決まり本を読ませていただいたのですが、人の裏の顔、信頼関係が壊れていく様、二転三転する怒涛の展開に惹き込まれたのを覚えています。佐藤組は初参加なのですが、監督がとてもおもしろい方でした。リハーサルを積み重ねる日々もあり、まるで舞台の稽古の様でブラッシュアップしていく過程に学びが多くありました。楽しんでいただけるとうれしいです。よろしくお願いします」

●佐藤祐市監督
「原作は先が読めない展開でとても惹き込まれ、人が他者の事を正確に理解する事の難しさを感じました。立ち位置が変われば見え方も当然変わるものだし、色々な側面を持っているのが人なんですよね。そんな重層的なキャラクター達が繰り広げる台詞の応酬。それは僕の大好物の密室劇なのでありました。若い俳優陣が、来る日も来る日も同じセットで必死に芝居をしている姿は、とても素敵でした。環境の変化も乏しく苦しいなか、チームワーク良く挑んでくれた皆の芝居を、一人でも多くの方に観ていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします」

●稲垣優プロデューサー
「就職活動という“自分を良く見せよう”とする状況下で、次々と暴かれていく六人の“嘘”と“罪”が大きな魅力の本作。その実写映画化のキャスティングにおいて最も重視したのが、“暴かれた『裏の顔』をいかに魅力的に見せられるか”という点でした。朝ドラ『らんまん』をはじめ、“明るいヒロイン”のイメージの強い浜辺美波さん。そしてこれまでの映画やテレビドラマを通じて、まっすぐひたむきな役どころの印象が強い赤楚衛二さん。お二人が、それぞれ他の作品では観ることのできない“表”と“裏”の一面を、この映画で見事に演じていらっしゃいます。『キサラギ』に代表される“密室劇のスペシャリスト”佐藤祐市監督の手で描かれる極上のサスペンス&ミステリーを、是非劇場でお楽しみください」

●浅倉秋成(原作)
「次回作はこんなのどうでしょう、あんなのどうでしょう――たくさんのアイデアを編集さんからいただくなか、『密室の会話劇』はどうですか?たとえば佐藤祐市監督の『キサラギ』みたいなーーそんな提案があったことを、いまでも覚えています。できあがった小説『六人の噓つきな大学生』は今回、思いもかけず佐藤監督の手に渡ることとなりました。漫画版、ラジオドラマ版、リーディングアクト(舞台)版と、数々のメディアミックスに恵まれ、毎度原作を凌駕する仕上がりを見せてもらってきた本作ですが、今回も強力なキャスト&スタッフの皆様が集結してくださいました。公開を楽しみにお待ちいただければ幸いです」


文/久保田 和馬