フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第219回目は黒猫のリオ(Rio)さまの登場です。

空気が読める猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.219
猫さまの話をもっと聞かせて!
黒猫のリオさまは3歳の男性猫さま。


<リオさまが語ります>
僕たちはフランス南西部の海沿いのアパルトマンに住んでいます。ぐっすり眠って、決して夜は飼い主を起こしません。カリカリ用のディスペンサーがあるので(『Orijen』というブランドのカリカリが主食です)、最初の食事のために午前2時45分に起きます。その1時間後、飼い主が仕事に行く準備をしている間、いつもアパルトマンのテラスに出ます。飼い主は早朝からの仕事で家を出るのが早く、午前10時から11時頃に飼い主が家に戻るまでひとりで寝ます。その間、午前9時にディスペンサーから2回目の食事が出てきます。



時々、昼食はバルコニーでとることもあります。『Vitakraft』、『Felix』、『Whiskas』ブランドのおやつもあります。3回目の食事は午後3時ですが、食後また寝ます。午後6時に1日の最後の食事をとり、夕方はずっとバルコニーに出て遊んだり外を眺めたりしています。



家の中の居場所はソファの上か、もっぱら羽毛布団の上です。それ以外は、洋服タンスや猫の木の中で過ごすのが好きです。飼い主がInstagramを通じてデザイナーから購入してくれた手作りのおもちゃが大好きですが、そのなかでも小さなニセネズミが一番です。僕はとても愛情深く、誰もが抱きしめたくなるような性格で、ルールも尊重します。知らない人がいると数分間隠れますが、問題がないとみると、その後すぐにその人たちに挨拶します。社交的な面も持ち合わせています。



出会った他の動物たちとはいつも仲良くやっていますよ。自分が欲しいものを要求するために喜んで鳴きます。決して攻撃的ではなく、喜んでまた撫でられるようにするのです。されたくない場合は優しくうめき声を上げます(笑)。


<飼い主から見たリオさまとは>
私は子どもの頃から猫と一緒に暮らしてきました。今でも猫なしの生活は考えられません。猫は私の人生の大きな部分を占めています。私を知っている人は皆、私が猫の大ファンであることを知っています。なぜなら、私は猫のことを頻繁に話すからです。他のネコ科動物も大好きです。私にとって猫は世の中で一番好きな動物です。もし20匹の猫がいる部屋に入ったら、それは私にとって地獄ではなく天国です(笑)。



リオとの出会いは、販売や寄付の広告もある個人間のサイト『leboncoin』に「私は子猫を求む、できれば黒猫を探している」と投稿したところ、学生が小さな黒猫を飼っていて世話ができなくなったと連絡してきたのです。リオがやって来てからは、私はあらゆるブランドのウエットフードやツナ缶を定期的に購入しましたが彼は牛乳もテリーヌ系も好きではありませんでした。残念ながらウエットフードを消化するのが難しいようで、この種のフードは諦めました。でもおやつにはスティック状(固体でも液体)のものが大好きなので与えています。



リオは純血種の猫ではありませんが、獣医師やこの猫に会った人は皆、その大きなサイズから、まさにミニ黒ヒョウのようだと感動していました。彼は私のペースに従い、私が何かをしている時や寝ている間でも決して邪魔をせず、本当にとても礼儀正しく接してくれます。彼との旅行も簡単で、何事もなかったかのように新しい環境にもすぐに適応します。私はいつもたくさんの愛を感じている猫を飼っていましたが、特にリオは私の人生の最愛の猫になりました。



リオと私は完全につながっています。まさに彼は私にとって完璧な猫です。信じられないほど彼は素晴らしいのです。私は彼のことが大好きで、外にいても彼のことを思うだけで、すぐに会いたくなってしまいます。まさに強い友情ということでしょうか。彼は愛情深く、たくさんの愛を与えてくれますし、私が彼にたくさんの愛情を感じていること、彼を気遣っていること、そして彼が病気のときに心配していることをリオは感じてくれてると思います。抱っこを拒否することはめったになく、その抱擁で多くの時間を過ごします。私は彼の前を通り過ぎるたびに、ほぼ毎回キスをします。私は目が覚めたら彼におはようと言い、寝るときはおやすみと言います。



私たちはとても似ています。ふたりとも睡眠と静かな時間が大好きです。私たちは孤独ですが、社交的で、時々人々に会うことも好きです。また、ふたりとも穏やかで思慮深いです。リオは私の人生と心の中で記念碑的な位置を占めています。リオは私にとって生活の最優先事項であり、必須ではない個人的なニーズよりも常に優先します。私にたくさんの愛、あらゆる種類の感情、幸せをもたらしてくれます。彼のような猫を飼えて私はとても幸運です。


ーーリオさまに対してなんとも愛情たっぷりの飼い主の言動には心が打たれました。ここでは全て語り尽くせませんでしたが、今日も朝から晩までお互い感謝の気持ちを忘れず生活してることが目に浮かんできます。


著者情報松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

取材、文・Manabu Matsunaga