ゴルフ場や練習場でも使用している人を多く見かけるサブバッグですが、持ち込みを禁止するゴルフ場もなかには存在します。何が原因で使用禁止にしているのでしょうか。

サブバッグの使い方でゴルフ場に損害を与えている

 最近ではキャディーバッグとは別に、数本のクラブを収納できるサブバッグを持ち運ぶゴルファーをよく目にするようになりました。一方で持ち込みを禁止するなどの措置を取っているゴルフ場も増えているようです。では、サブバッグが使えなくなっている原因とは何なのでしょうか。

使い方に気を付けなければいけないサブバック 写真:AC
使い方に気を付けなければいけないサブバック 写真:AC

 サブバッグは特に、グリーン周りで使うウェッジ数本とパターを一度に持っていけるので便利です。ところが、サブバッグの人気が高まったのと同時にコース内での使用を規制するゴルフ場や、なかには持ち込みそのものを禁じているゴルフ場も現れ始めました。

 サブバッグはゴルフ場にとって“厄介者”なのでしょうか。全国でゴルフ場を運営する、株式会社東急リゾーツ&ステイの広報担当者は以下のように話します。

「弊社のゴルフ場では、サブバッグの持ち込み自体は禁止していないものの、自己責任で使用していただくように注意喚起を行っています。ゴルフ場が持ち込みを禁止したり注意喚起を行う背景には、サブバッグが設備に損傷を与えてしまう可能性があるからです」

「まず、サブバッグをグリーンに持っていくと、グリーンの芝に傷がついてしまう恐れがあります。サブバッグは、斜めにするとスタンドが出てきて立てかけられるような造りをしているのが基本的ですが、お客様にはパターやアプローチウェッジなどグリーン周りで使うクラブを、一式サブバッグに入れて持ち運ぶ方も見られます」

「サブバッグをグリーン上で立てかけると、細い2本のスタンドに全体の重量がのしかかることになり、結果的にグリーン面に穴が開いてしまう可能性があります。グリーンの芝は、少しの衝撃や圧力でも傷がついたり跡が残ってしまったりするほど繊細なものなので、サブバッグに対して否定的な見方をするゴルフ場は確かに多いです」

 グリーンに直接サブバッグを立てかける事案が多発すると、グリーンが穴だらけになって見た目が悪くなるだけでなく、修繕にも手間・費用・時間がかかります。

「クラブを出し入れするためにカートまで行って帰ってくる手間が省ける」などの点がサブバッグのメリットとしてありますが、各地のゴルフ場で問題が絶えなかった影響で持ち込みを禁止するケースが増えているそうです。

サブバックの持ち運びにも注意が必要

 他にもサブバックを規制している要因はあるようです。広報担当者は以下のように話します。

「次に、サブバッグを荷物として管理するのが難しいことも、使用を規制している大きな理由の一つとなっています。ゴルフカートは、車体の後方部分にキャディーバッグを積み込めるスペースがありますが、サブバッグをかけられるような置き場所はありません。ですので、後部座席の後ろに設置されている、本来は飲み物や小物類を入れるカゴに引っかけざるを得なくなってしまいます。このため、サブバッグの重みでカゴが変形してしまったり、不安定な場所にかけるため走行中の揺れで落下したりする恐れもあります」

「さらに、ネームタグが付いていないものが非常に多いので、クラブハウス内に数多くのキャディーバッグが並んでいる中で名無しのサブバッグが紛れ込んでいると、持ち主が誰なのか、特定が困難になってしまうという点も問題視されています」

 東急リゾーツ&ステイのゴルフ場では、サブバッグはウエアやシューズを入れるバッグと同様に「手荷物」として扱い、あくまでも自己責任で使ってもらうようにアナウンスをしています。

 また、ロッカーで保管すると場所を取って他の荷物が入れられなくなるため、ロッカールームの前にサブバッグ専用の置き場所を用意している場合もあるようです。

 サブバッグは正しい使い方をすれば非常に便利ですが、気を付けないとマナー違反になるどころかゴルフ場に損害を与えてしまう危険性があります。せっかくの便利アイテムを悪者にしないよう、一人一人が配慮しなければならないでしょう。

ピーコックブルー