来週は連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ動向を判断するために特に注視しているPCEコア価格指数の2月分が発表されるため注目だ。また、パウエル議長がサンフランシスコ連銀主催イベントのマクロ経済・金融政策会合で講演を予定しており、注目したい。



生産者物価指数(PPI)と項目が類似しているPCE価格指数は前月比で伸びが拡大し、PCEコア価格指数は前年比で1月と同水準の伸びを維持する見込み。もし、予想通りの結果となった場合は、利下げにつながるインフレ改善の証拠とはならず相場の上値を抑制することになるだろう。



1月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回るなど、あまりインフレに改善が見られない中、FRBが連邦公開市場委員会(FOMC)結果と同時に公表した金利予測分布図(ドット・プロット)で金融当局者が依然平均3回の利下げを予想していることが明らかになると安心感から買われた。ただ最近のデータでは、労働市場は依然強く、住宅市場も春のピークに向けて力強い結果が目立つ。ドット・プロットにおいても、当局者は今年の国内総生産(GDP)成長率やコアCPI予測を12月から引き上げたほか、失業率見通しを引き下げるなど、利下げが示唆される内容ではなかった。パウエル議長はFOMC後の会見で1月のインフレデータの強い結果について、季節要因が影響しておりインフレ改善の軌道に変わりはない、とハト派姿勢を維持。FRBはおそらく利下げに踏み切ることを望んでいるのだろうと一部の市場関係者は指摘している。インフレ改善の停滞や景気の好調なデータにもかかわらず議長の講演で、ハト派姿勢が再確認された場合、相場を一段と押し上げることになるだろう。なお、29日はグッド・フライデーで債券、株式市場は休場となる。



経済指標では、2月新築住宅販売件数、2月シカゴ連銀全米活動指数、3月ダラス連銀製造業活動(25日)、2月耐久財受注、1月FHFA住宅価格指数、ケース・シラー米住宅価格指数、3月コンファレンスボード消費者信頼感指数、3月リッチモンド連銀製造業指数(26日)、10-12月期国内総生産(GDP)、3月シカゴ購買部協会景気指数、2月中古住宅販売保留、3月ミシガン大消費者信頼感指数確報値(28日)、2月PCEコア価格指数(29日)、などが予定されている。また、29日にはパウエル議長がサンフランシスコ連銀主催のイベントで講演を予定している。



主要企業決算では、スパイスメーカーのマコーミック、ゲーム販売のゲームストップ(26日)、クルーズ船運営のカーニバル、給与・人事関連アウトソーシングを提供するペイチェックス(27日)、ドラッグストア小売のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(28日)、などが予定されている。



クルーズ船関連の需要はパンデミック前の水準に回復、同業のロイヤル・カリビアンやノルウエージャン・クルーズラインも見通しを引き上げており、カーニバル決算では強い結果に期待できそうだ。



(Horiko Capital Management LLC)