MotoGP第5戦フランスGPの初日走行を終えたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)は、タイムアタック時のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)の振る舞いを批判している。

 マルケスは今回が開幕戦ポルトガルGPで負った怪我からの復帰戦となっており、久しぶりの走行となっていた。ただ、彼は慎重になることもなく、しっかりと攻めてタイム出しを行なっていた。

 ただしその際のマルケスの振る舞いが、今回バニャイヤから批判されている。マルケスはプラクティス2のタイムアタックの際、牽引役として利用しようとしているためか、コース上でバニャイヤの後方に続き、全く追い抜こうとしなかった。

 バニャイヤはこの戦略に嫌気が差したようで、一度ピットに戻る対応を行なっている。

 なおマルケスがこうした戦略を採ることは珍しいことではない。特に2020年の右腕骨折から復帰して以降に顕著になった。本人は身体的な問題やホンダのマシンの状態もあり、タイムを出すためにはこの戦略を採ることが必要なのだと説明してきたが、ライバルからは度々批判の声が出ていた。

 そしてフランスGPでの一件を経て、バニャイヤも不満を示している。彼はマルケスの後追い戦略がさらに別のレベルに進化しているとメディアに語った。

「去年のマレーシアGPでは、マルケスは僕が転倒した後に、ひとりで走ってフロントロウをゲットしている」

「マルク・マルケスなんだ。僕らは彼がどれほど速いかを理解している。あれは僕にとっては理解できない戦略だよ。予選やファステストラップを出すときには、ひとりで走りたいからね」

「誰しも自分の戦略を持っているだろうけど、マルケスの後追いは別のレベルに引き上げられているよ。こっちが止まれば、あちらも止まる。同じことをしてくるんだ。どんなワケでこういったことを彼がしているのか、僕は分からない」

 最終的にバニャイヤは総合9番手タイムで、なんとか予選Q2へ直接進むことができた。彼はリヤタイヤのフィーリングが良くなかったため、終盤まで心配していたものの、全体的にはポジティブだったと語っている。