ドゥカティ陣営は早くも2025年以降のライダー契約を進めているが、マルク・マルケス(グレシーニ)は来年以降の契約を確保するために急いではいないと語った。

 3月にMotoGPが開幕する直前、ドゥカティはチームに2連覇をもたらしたフランチェスコ・バニャイヤとの契約を延長すると発表。そして先日はMoto2に参戦中のフェルミン・アルデゲルとMotoGP昇格の契約を交わしたことが明らかにされた。アルデゲルの所属チームは明かされていないが、プラマックでほぼ間違いないと言われている。つまり、ドゥカティ陣営では既に2025年のファクトリーバイクを使うシートがふたつ埋まってしまったと言える。

 そして今年は多くのライダーが契約更改の年となっているため、今後はよりライダー市場の動きも早くなっていくことが予想されている。

 マルケスは昨年限りでホンダを離れてドゥカティ陣営のグレシーニへ1年契約で加入。2025年に向けて新しい契約を結ぶ必要のあるライダーのひとりだ。8度王者の来年は注目のトピックのひとつだが、マルケスは今、ライディングに集中することのみを考えていて、将来の決断を急ぐ必要はないと語った。

「もちろん僕の状況は過去とは全く違う」と、マルケスは言う。

「以前なら12月には既に次の年の契約にサインしていたけどね。今は急いでいない」

「僕が言いたいのは、自分自身のことに集中したいということ、そしてサーキット上でベストを尽くすことに集中したいってことだ」

「それにもしレースを楽しんでより速くなれれば、僕にはシートを選べる可能性がより多くなるだろうと、そのこともわかっているからね」

「でも今のところはその件については話たくない。集中していたいんだ。(開幕戦)カタールではそうしたし、ここ(第2戦ポルトガルGP)でもそうするつもりだ」

「良くなるレースもあれば、悪くなるレースもあるだろう。それでも、僕は100%を尽くそうとするよ。このスポーツでは過去ではなく、今が大事なんだ」

「そして今はこうして僕よりも速いライダーが3〜4人いるわけだから、僕は仕事をする必要がある」

 マルケスはドゥカティのバイクでのデビュー戦において、予選6番手、スプリント5位、決勝4位とかなり良いスタートを切った。

 今週末はポルトガルGPに挑むこととなる。マルケスはカタールGPと同様にアプローチしていくと語る一方で、テストが行なわれなかったポルトガルでは“予習”をしてない状態で挑むことになるという認識も示した。

「今週末のアプローチはカタールと同じだ」

 マルケスはそう語る。

「当然、僕らはレースウィークに直行するということもあって、プランは少し変わることになると思う。FP1からすぐにラップタイムを出す必要があって、速さが必要なんだけど、(テストをしている)マレーシア、そしてカタールでもそれは凄く難しかったからね」

「序盤数日で僕は苦戦していたから、ここポルティマオですぐにトップ10に入れるかどうか、Q2に直接進出できるかどうか、様子を見てみよう。それが主な目標になってくる」

「全く異なるサーキットで、僕らがどの位置にあるのかがわかるね」