アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットでMotoGP第2戦ポルトガルGPのMotoGPクラス決勝レースが行なわれた。優勝したのはホルヘ・マルティン(プラマック)だった。

 MotoGPクラスの予選では、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が2022年9月以来となるポールポジションを獲得。2番グリッドにはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、3番グリッドにはホルヘ・マルティンが並んだ。

 全25周で争われる決勝レースが始まると、3番グリッドのマルティンがロケットスタートでターン1を先頭で通過。トップに立ったマルティンは非常に良いペースで1周目と2周目を走り、後続とのギャップを作った。

 その後はマルティンを筆頭に、ビニャーレス、バスティアニーニ、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)、マルク・マルケス(グレシーニ)の5番手までがそれぞれ0.4秒ほどの差で連なって走る場面が続いた。

 先頭集団の中ではマルケスが少しずつ遅れ始め、7周目には4番手のバニャイヤから1秒離されてしまった。そして後ろからは、ブラッド・ビンダー(KTM)を追い抜いた新人のペドロ・アコスタ(GASGAS)が迫った。

 8周目のターン1でアコスタはマルケスをオーバーテイク。素晴らしいペースのアコスタは、そのままトップ3から離されてきた4番手のバニャイヤにもチャージをかけ始めた。

 12周目、アコスタはターン1へのアプローチでバニャイヤへと追い抜きをしかけていくが、止まりきれずラインがワイドになってしまい、抜き切ることができなかった。以降のアコスタはしばらくバニャイヤの後ろで我慢のレースが続いた。

 一方でトップグループでは、レース中盤にかけてマルティンが少しリードを拡大し2番手に対して0.8秒〜1秒ほどの差を築いた。ビニャーレスもペースを上げていくが、それに反応するようにマルティンがペースを上げるため、その差はなかなか縮まらないままだった。

 バニャイヤとアコスタの4番手争いは、残り5周のターン3でアコスタが再びしかけ、オーバーテイク。バニャイヤはアコスタに反撃できず、今度はマルケスにも迫られた。

 そして残り3周、ターン5でマルケスが空いたイン側から追い抜きをしかけた。マルケスはここで前に出たものの、バニャイヤは立ち上がりのクロスラインで抑えにかかった。そしてふたりは接触し、転倒を喫してしまった。なおこのインシデントはレース後の審議対象となったが、レーシングインシデントとしてお咎め無しの裁定が下された。

 先頭を走るマルティンはレース中盤に築いたリードを守りきってトップチェッカー。今シーズン初優勝を果たした。バニャイヤが転倒でノーポイントに終わったこともあり、マルティンはポイントリーダーに浮上している。

 2番手争いはラストラップまで白熱したバトルが繰り広げられていたが、ビニャーレスがマシントラブルに見舞われたか、ホームストレートで急失速。その後ターン1で転倒するという形で勝負がつき、バスティアニーニが2位となった。

 そしてルーキーのアコスタが2戦目にしてMotoGPクラスで初となる3位表彰台を獲得。これはMotoGPの最高峰クラスでは史上3番目に若い表彰台獲得だった。
 
 日本メーカー勢はファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が7位で最上位。中上貴晶(LCRホンダ)は14位だった。