アルガルベ・インターナショナル・サーキットで行なわれたMotoGP第2戦ポルトガルGP決勝。グレシーニのマルク・マルケスとドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは5位争いの最中に接触したが、マルケスはバニャイヤがクラッシュを引き起こした原因だと考えているようだ。

 ふたりの接触が起きたのは、25周中23周目。ターン5への飛び込みでマルケスがバニャイヤのインを差して先行したが、バニャイヤは負けじとクロスラインを取り、コーナー出口でワイドに膨らんだマルケスのインを差し返した。

 しかしこの時マルケスは既にイン側にラインを絞っており、バニャイヤと接触。2台はコース外にはじき出され転倒。バニャイヤはリタイアを選択し、マルケスはレースに復帰したものの大きく順位を落として16位でのフィニッシュとなった。

 ドゥカティ陣営内でのこの接触はレーススチュワードによって調査を受け、レーシングインシデントとの裁定が下り、ペナルティなどは出されなかった。

 しかしマルケスは、この接触の原因はバニャイヤにあると考えており、シーズン序盤の2ポイントをめぐってアグレッシブに走る必要はなかったと語った。

「もちろん、インシデントからたった1時間でふたりのライダーが合意するのは不可能だ」とマルケスは言う。

「でもレースの裁定に関して、僕はスチュワードに『これは限界ギリギリのレーシングインシデントだ。でも決めるのはあなたたちだ』と言った。何が限界なのかはスチュワードが決めなければならない」

「でも結局のところ、僕としてはインシデントじゃなくて、ペッコ(バニャイヤの愛称)のミスだともちろん思っている。彼がやり返そうとしてきた訳だからね。楽観的すぎて、接触が起こり得る状況だった」

「でも2点多く得るか、2点少ないかの5位、6位争いをしていたこと自体が間違いだ」

「彼は特にリヤタイヤで苦しんでいた。結局、残り3〜4周になればポジションを失うと分かっていたはずだ。あんなアグレッシブな走りでやり返してくる必要なんてなかったんだ」

「でも彼はそうすることにした。その結果、ドゥカティ陣営に何もポイントを持ち帰れなかった」

 マルケスは今年、ホンダ陣営からドゥカティ陣営に鞍替えした。ドゥカティ勢をはじめ他のライダーは自身に対してバトルのアプローチを変えてきたと感じているか? とマルケスに尋ねると「いや、そうは思わないし、そうとも考えたくない」と答えて次のように続けた。

「ただ彼らは戦う。今回ペッコはプラスの2ポイント、そしてポジションを守ることを考えていたと言っていた」

「最初の数周はアグレッシブに走る必要がある。終盤、勝利のために戦っているのならアグレッシブになる必要があるかもしれない」

「でも今回はそういう場面ではなかった。でも良いんだ。彼が決めたことだし、きっと学んでくれるだろう」

 マルケスはバニャイヤとの接触後、ドゥカティのファクトリーチーム代表であるダビデ・タルドッツィとしか話していないとしながらも、「彼らがテレメトリーを持っていて、何が起こったのかを正確に知ってもらえるのは良いことだ」と付け加えた。