F1中国GPの決勝レースでランド・ノリスが2位を獲得したマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、今季のレッドブルの強さが逆にモチベーションになっていると語った。

 ノリスは中国GPのスプリント予選でポールポジションを獲得。スプリントでは1周目のルイス・ハミルトン(メルセデス)との攻防の中でコースオフしたため、表彰台を逃す結果となった。日曜日の決勝レースでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンには太刀打ちできなかったものの、もう1台のレッドブルであるセルジオ・ペレスを抑え、2位でフィニッシュした。

 ノリスはこれで15回目の表彰台。しかしまだ優勝を手にできていない。レッドブルに、またしても勝利を阻止された格好だ。

 レッドブルとフェルスタッペンがいなければ、ノリスはとっくに勝っていたはず。そんなことを考えたことがあるかと尋ねられたステラ代表は、次のように語った。

「そう言われると、考えたこともなかったね!」

 そうステラ代表はそう語った。

「というのも、僕が考えているのは『マックスがいなかったら……』ということではなく、『どうやってマックスとの差を縮めるか』ということなんだ」

「レッドブルが達成していることを、大いに称賛しているよ。そしてこれほどまで安定して勝ち続けるなんて、簡単なことじゃないと思う」

「シンプルに見えるけど、マックスとレッドブルが技術面、オペレーションの面、そして競技の面で達成してきたことには、本当に脱帽だ。それは普通のことに見えるかもしれないけど、実はそうじゃないんだ。だから我々は、このことをさらなるモチベーションだと捉えている」

「レッドブルがどう物事を行なっているのか、それを見ている。そして僕が考えているのは、どうやってそこに辿り着くかということなんだ」

 昨年は大きく前進し、レッドブルにプレッシャーをかけるシーンもあったマクラーレン。しかし今年は、さらに引き離されているように見える。

 ステラ代表は長期的な視野でレッドブルに近付くことを目指していると言うが、次戦マイアミGPで投入される予定のアップデートにまずは期待したいと語った。

「この12ヵ月という意味では、我々は他のどのチームよりも大きく成長してきたと思う」

 そうステラ代表は語った。

「去年のレッドブルは、あまり成長できなかった。でも今年、彼らはマシンに劇的な革新を加えてきたため、その背景でかなりの作業を行なっていたことは明らかだ」

「彼らのようにマシンを革新的に変更するには、その再設計に数ヵ月かかると思う。彼らはその作業を行なっていたんだろう。今年のマシンを投入した時、それは大きな一歩に見えた」

「彼らが進歩しなかった間に、我々が大きく前進しただけ。だから今年はある程度後れを取ったと思う」

「長期的に見れば、力強い軌道に乗っていると思う。それはチーム内で言っていることでもある。この開発はあと12ヵ月続く。それを考えれば、レッドブルに追いつくかもしれない」

「マイアミでは、いくつかのアップデートが投入される予定なので、それがどう機能するか見てみようと思う。ファクトリーでは、開発に集中している人がたくさんいて、戦いが続いているんだ」

 開発競争……それこそがF1だと、ステラ代表は断言する。

「今回はザウバーが躍進したし、オコン(エステバン・オコン/アルピーヌ)のマシンにもアップデートが投入された。ハースもアップデートされ、今ではQ3進出の常連になりつつある」

「それがF1だ。常にマシンを改良しなきゃいけない。それこそが、我々がしなきゃいけないことなんだ」