【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ
・5/13 京王杯SC(GII・東京・芝1400m)
 後方待機策のレッドモンレーヴが直線で大外から伸びて鮮やかに差し切りました。三度目の重賞挑戦で初制覇、初の1400m戦も合っていたのでしょう。母ラストグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に選出されたエアグルーヴの末娘で、グルヴェイグ(マーメイドS)の全妹、アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回)の4分の3妹、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)の半妹にあたる超良血。繁殖成績も優秀で、これまでに競走年齢に達した5頭はすべて勝ち上がり、レッドモンレーヴの他にランフォザローゼス(青葉賞2着)、レッドルレーヴ(フラワーC2着)などが出ています。

 エアグルーヴ牝系はキングカメハメハ系と相性抜群で、このパターンからドゥラメンテ、ルーラーシップ、ジュンライトボルトなど多くの活躍馬が誕生しています。キングカメハメハの息子ロードカナロアとの組み合わせからは、レッドモンレーヴの他にグルーヴィット(中京記念)が出ています。同牝系の同父ですから、この2頭は血統構成がよく似ています。1400m戦で新境地を開いたので、もし仮にもう1ハロン短縮して1200mに対応するようなら、秋のスプリンターズSでも楽しみな存在になります。

◆今週の血統注目馬は?
・5/21 鳳雛S(L・京都・ダ1800m)
 ツウカイリアルは「ホッコータルマエ×シンボリクリスエス」。この組み合わせは出走5頭中4頭が勝ち上がっているニックスで、連対率32.5%、1走あたりの獲得賞金額199万円と優秀。この配合はコーナー4つの中距離戦に強く、ダート1700〜1800mで19戦7連対(連対率36.8%)。前走のヒヤシンスSはワンターンの東京ダート1600mで、1番枠から出て中団でレースを進めたものの、レース上がりが速く、直線で伸びませんでした。この馬のレーススタイルに合わなかったので致し方ないでしょう。今回はコーナー4つの1800m戦なので期待できます。

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