果敢に芝初挑戦だ。「南関東の女王」スピーディキック(牝5、浦和・藤原智行厩舎)が、阪神牝馬ステークス(4歳上牝・GII・芝1600m)の地方馬初制覇を目指す。

 スピーディキックは父タイセイレジェンド、母デザートフラワー、母の父サイレントディールの血統。ここまで21戦10勝。ホッカイドウ所属の2歳時にエーデルワイス賞で重賞初制覇。その後浦和に移籍し、一昨年の戸塚記念など重賞通算9勝を数える。交流重賞でも22年の関東オークスが3着、23年のスパーキングレディーCが2着など、好勝負を続けてきた。まさに南関東を代表する名牝といえる。

 今回は実績のあるダートではなく、芝への初挑戦となる。適性は未知数だが、前走のフェブラリーS(13着)の芝部分での行きっぷりは悪くなかった。父タイセイレジェンド×母の父サイレントディールという血統構成も、芝ダート二刀流の可能性を感じさせる。

 これまで阪神牝馬Sには延べ3頭の地方馬が挑み、01年のプラセールの10着が最高着順。勝てば16年札幌2歳Sのトラスト以来、8年ぶりの地方馬によるJRA重賞制覇だ。芝を克服し、ライバルに打ち勝っての大金星となるか、その走りに要注目したい。