米の購入後、冷蔵保存するか常温保存するかで迷ったことはありませんか。冷蔵庫で保存した方が長持ちする印象がありますが、場所を取ってしまい、他の食材が入らなくなるのが難点です。米は冷蔵庫に入れて保存すべきなのでしょうか。それとも、常温保存でも問題ないのでしょうか。タイガー魔法瓶(大阪府門真市)の担当者に聞きました。

密閉可能な容器に移し替えること

Q.米は冷蔵庫で保存すべきなのでしょうか。それとも、常温で保存しても問題ないのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

担当者「米は常温で保存しても問題ありませんが、実は冷蔵庫での保存が適しています。その理由について、次のようにご紹介します」

(1)常温保存よりも保存期間が長くなる
米を暑い場所に置いておくと劣化が早まる一方、涼しい場所で保存すると劣化しにくくなります。そのため、米を冷蔵庫で保存すると、常温で保存したときに比べておいしさが長持ちします。

米は15度以下の環境で保存するのが適しています。冷蔵庫内は直射日光が当たらず、涼しい状態が維持されるため、保存場所として最適です。

(2)虫が発生しにくくなる
米の天敵は虫です。虫は気温が18度以上で湿度が高くなると、活動が活発になる傾向にあります。冷蔵庫のように10度以下の環境の場合、虫が発生しにくくなります。ただし、米の購入時に袋の中に虫が入っているケースもあります。購入した米は袋に入れたままにするのではなく、別の容器に移し替えた上で虫がいないかチェックするのがよいでしょう。

(3)酸化を防ぐ
米は直射日光や高温により、乾燥して酸化します。その場合、味が落ちてしまうため、注意が必要です。冷蔵庫で保存をすれば日光が当たらず、低温の状態が維持されるため、米が酸化するスピードを緩めることができます。

Q.米を冷蔵庫で保存する場合、常温保存する場合のそれぞれの注意点について、教えてください。

担当者「冷蔵庫で保存する場合、5〜8度の低温が維持される野菜室に入れるのがベストです。ただし、袋に入れたまま保存するのは避けてください。先述のように、袋の中に虫が入っている可能性があるのはもちろんですが、冷蔵庫内は乾燥しているため、そのまま入れると米が乾燥して、炊き上がりがパサパサしてしまうためです。米を密閉できる容器に移し替えてから野菜室で保存しましょう。

米の保存容器でメジャーな製品が『米びつ』です。米びつは密閉性が高く、サイズが豊富にそろっているため、冷蔵庫での保存に適しています。

米びつを使わない場合、ふたが付いたプラスチックの容器やチャック付きのビニールパックなどを使うと、密閉できて便利です。チャック付きのビニール袋に1回の食事に使う量の米を入れた後、なるべく空気を抜いた状態にして野菜室に敷き詰めておくのもお勧めです。

タッパーで保存すると空気に触れてしまう傾向にあるため、できるだけ隙間を空けないように入れてください。空気に触れてしまうと、米の劣化が進んでしまうので注意しましょう。

常温で保存する際は、直射日光が当たらない涼しい場所で保存してください。何度も言いますが、暑い場所や直射日光が当たる場所で米を保存すると、乾燥して酸化してしまうため、注意してください。また、周囲にある物のにおいが移ったり、虫が発生したりしないように、密閉した容器に入れて保存しましょう」

Q.米は開封後、何日以内に消費するのが望ましいのでしょうか。冷蔵保存、常温保存それぞれのケースでご教示ください。

担当者「冷蔵保存の場合は開封後1カ月半以内、常温保存の場合は開封後2週間以内にそれぞれ食べ切るのがお勧めです」

Q.保存している米にカビが生えることはあるのでしょうか。

担当者「湿度が高い環境下で保存したり、ぬらした米をそのまま保存したりすると、カビが発生することがあります。米にカビが生えているのを見つけた場合は、食べるのを控えてください」

 せっかく買った米を劣化させないためにも、適切な方法で保存しましょう。