ブーイングに反応するジョコビッチ
画像提供:ゲッティイメージズ

男子テニスのロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)は11日、シングルス3回戦が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が世界ランク24位のL・ムセッティ(イタリア)を7-5, 6-3のストレートで破り、5年ぶり10度目のベスト8進出を果たした。この試合、ブーイングを受けたジョコビッチはまるでオーケストラの指揮者のようなジェスチャーで応戦した。

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世界ランク1位で36歳のジョコビッチが同大会に出場するのは17度目。2013年と2015年には優勝を飾っている。

今大会は上位8シードが1回戦免除のため、ジョコビッチは2回戦からの登場。初戦となった2回戦では同41位のR・サフィウリンを下し3回戦に進んだ。

そしてこの日の3回戦では、昨年の同大会3回戦で敗れた22歳のムセッティと顔を合わせることとなった。

2回戦後の会見で「もう一度彼(ムセッティ)と対戦できることを心から願っている」と述べていたジョコビッチはこの試合の第1セット、第1ゲームで先にブレークを許しリードされる。ドロップショットなどを駆使するムセッティからなかなかチャンスを握れずにいたジョコビッチだったが、第8ゲームでブレークバックに成功し追いつく。

その後迎えた第12ゲームでは、このセット2度目のブレークポイントを握ると、ここでムセッティが痛恨のダブルフォルトを犯しジョコビッチが第1セットを獲得する。

続く第2セット、両者2度ずつブレークを奪い合う激しい展開となるも、第8ゲームでジョコビッチがリターンエースを決めこのセット3度目のブレークに成功。その後の第9ゲームをキープしたジョコビッチが昨年の雪辱を果たし1時間58分で勝利した。

試合後の会見でジョコビッチは「今日はコート上で少し苦しんだ。でも、去年と比べて自分のプレーは気に入っている。より良いテニスができていると思う。これは過程なんだ。連日勝ち続けることができればいいけど、クレーシーズンで最高のテニスができるようになることが大きな目標。だから、まだ数週間はかかるよ。今のところ、自分のプレーを楽しんでいるよ」とコメント。

また、第1セット、ムセッティがゲームカウント4-3とリードし迎えた第8ゲームが試合の分岐点だったとジョコビッチは言及した。このゲーム、0-40の場面でジョコビッチはボールがアウトだと主審に抗議。判定通り実際にアウトだったものの、それに対し観客がブーイングを浴びせるとオーケストラの指揮者のようにジョコビッチが応戦。これが自身をリラックスさせたと明かした。

「僕は色々なエネルギーを自分にとって良いものに変換しようとしている。観客とのトラブルを望んでいない。“ブーイングされても、もっとうまくプレーできる”。僕はそういうメンタリティではない。でも、もし観客が僕にふさわしくないと思うような反応をし始めたら、それはフェアじゃないと思う。それに関して説明できないと思ったら、僕はそれに反撃するよ。ご存知のとおり、誰かが自分に悪いことをしているなら、自分の立場を守るという考え方で僕は育ってきたからね」

「もちろん、その瞬間まではムセッティの方が優れた選手だった。そして、それは正しいタイミングで来たと思う。ある意味、リラックスできたというか......。少し笑顔になったしブーイングに対して指揮者のようにしてみたら、うまくいったんだ(笑)」

勝利したジョコビッチは準々決勝で第11シードのA・デ ミノー(オーストラリア)と対戦する。デ ミノーは3回戦で同46位のA・ポピリン(オーストラリア)を6-3, 6-4のストレートで下しての勝ち上がり。

同日には第2シードのJ・シナー(イタリア)、第7シードのH・ルーネ(デンマーク)、第8シードのC・ルード(ノルウェー)、第12シードのS・チチパス(ギリシャ)、第14シードのU・アンベール(フランス)、第15シードのK・ハチャノフが8強に駒を進めた。

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