死角らしい死角は見当たらないリバティアイランド

オークス2023

[GⅠオークス=2023年5月21日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル]

 4月30日のスイートピーSを最後にオークストライアルが終了した。桜花賞馬リバティアイランドを脅かす存在は正直、見当たらず、同馬による牝馬クラシック2冠達成は目前と言えそうだ。

 1冠目のGⅠ桜花賞を出走メンバー中ナンバーワンの末脚(32秒9)で奪取。牝馬の枠組みを超えたと感じさせる破格のパフォーマンスを披露した。血統背景から2000メートル前後がベストとも思えるが、そもそものポテンシャルの高さが同じ世代の牝馬ではずぬけているだけに、2400メートルの距離でもキッチリと〝格好〟をつけるだろう。GⅢアルテミスSの際に東京までの長距離輸送を経験済み。短期放牧から先月29日に栗東トレセンに帰厩して調整を開始している。

 後を追う1番手は、桜花賞3着のペリファーニア(鹿戸)か。今度は近距離輸送の東京競馬場での争い。阪神までの輸送の負担があった近2走から状況は好転する。GⅠ3勝馬エフフォーリアの半妹で血統背景は文句なし。レースセンスも高く、立ち回りのうまさを生かして、どこまで食い下がれるか。

 一方、桜花賞2着のコナコースト(清水久)は、デビューから4戦すべてで連対中。堅実駆けは高く評価できる。長距離輸送はデビュー戦で、左回りは3走前の中京ですでに経験済み。母方は短距離の血筋も、父キタサンブラックの影響が強ければ、距離延長にも十分対応できそうだ。

 トライアル組からはGⅡフローラSを逃げ切ったゴールデンハインド(武市)が魅力に映る。ゴールドシップ産駒だけに400メートルの延長が歓迎材料になるはず。さらにパフォーマンスがアップするようならGⅠの舞台でも健闘が期待できよう。

 ほかではハーパー(友道)に注目するべきだろう。東京コースのGⅢクイーンCで重賞勝ちを決めており、実績に不安なし。長距離志向の強いハーツクライ産駒で、桜花賞4着からの前進が見込める。前走の敗戦だけでは見限れないのは同8着のライトクオンタム(武幸)も同じ。再度の距離延長がプラスに転じそうなフローラS2着馬ソーダズリング(音無)などが続く。

著者:東スポ競馬編集部