桜花賞4着から逆襲を狙うハーパー

オークス2023

[GⅠオークス=2023年5月21日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル]

 桜花賞の圧巻ランで〝1強体制〟を敷いたリバティアイランドの死角はどこに? 第84回オークス(21日=東京芝2400メートル)において、悩める穴党のテーマはこれだろう。2400メートルという未知の距離? これはほとんどの馬にとっても一緒だ。いや、たとえ走ったことがなくても、その馬を扱う厩舎、そして騎手に「信頼」と「実績」があれば…。たどり着いた結論は友道厩舎&ルメールの鉄板コンビ=ハーパーだ。

 過去10年において芝2400メートルのGⅠを最も勝っている厩舎は? 2016年ダービー(マカヒキ)、17年ジャパンC(シュヴァルグラン)、18年ダービー(ワグネリアン)、22年ダービー(ドウデュース)の友道厩舎=4勝が正解だ。この4頭が3→5→5→3番人気だったことから、馬のポテンシャルもさることながら、厩舎の仕上げ力もひとつのV要因となったことが推測される。

 友道厩舎といえば、ほかにも天皇賞・春(08年アドマイヤジュピタ、21年ワールドプレミア)、菊花賞(19年ワールドプレミア)など、長距離GⅠで確かな足跡を残しており、スピード&スタミナを要求される頂上決戦が得意。当然、3歳牝馬にとって過酷なオークスで、その〝腕〟の分を上乗せするのもアリだろう。

 そもそも、ハーパーは重賞初Vを決めた東京1600メートルのクイーンC以前から「オークス向き」のジャッジを厩舎内でされていた馬でもある。

「あのレースを勝ったので桜花賞には向かいましたけど、この馬の適性はオークス。早い段階からここを狙っていましたから」と大江助手。距離不足の桜花賞でも4着に食い込んだことにハーパーの高い能力値が表れている。世代屈指の安定勢力であるドゥアイズを封じ込んだクイーンCと同じ東京で、距離2400メートルなら…。〝あの強い馬〟にひと泡吹かせてもおかしくない。

 1週前追い切りでは3歳未勝利2頭を前に置いて直線で内からスパッと抜け出す味のあるメニューを消化(10日=ウッド6ハロン84・8―11・2秒)。「相変わらず反応は鈍いですけど、1週前でしっかり負荷をかけたことで、レース当週はグッと良くなってくるはずです」と大江助手だ。

 鞍上は引き続きルメール。17年ソウルスターリング、18年アーモンドアイ、そして昨年のスターズオンアース…。GⅠで最も頼りになる男は、近年の樫の女王を決める戦いでも、他とは一線を画す成績を残している。

「信頼」と「実績」の友道厩舎&ルメールがタッグを組んだハーパーこそが、打倒リバティアイランドの急先鋒にふさわしい。

著者:東スポ競馬編集部