矢作厩舎のサウジ遠征に帯同中の前川恭子技術調教師
矢作厩舎のサウジ遠征に帯同中の前川恭子技術調教師

 昨年12月にJRAでは女性初となる調教師試験に合格した前川恭子技術調教師(46)が、矢作厩舎に同行し研さんを重ねている。

 サウジアラビアには初めて来たという前川師は「国内でも宿泊を伴う競馬は難しいですが、ましてや海外ではどんな調整をしているのか、矢作先生に研修をお願いしたところ、〝今年(一年)は付いて来ていいぞ〟と言っていただき、渡りに船でした。矢作厩舎は海外で実績がありますし、遠征だからといって馬が気負っていなくて、すごくリラックスしています」とその意図を説明した。

 帯同中はGⅡ・1351ターフスプリントに出走するバスラットレオン(牡6・矢作)の手入れを手伝うなど厩舎作業にも精力的に参加。同馬の様子について「向こう(日本)ではピリピリしていたんですけど、こっちではリラックスしています。馬房が広いし、外で草も食べられる。この馬は経験していますしね。(同厩馬と)3頭で来られるのもいいんだと思います」と感じたという。

 さらに、「(開業したら)まずはここに来られる馬をつくりたい。検疫厩舎も手厚いしスタンドも立派。すごく歓迎してもらって、好きになりました。(サウジに)向いている馬がいれば、ゆくゆくはぜひ連れて来たいです」と抱負を述べた。

著者:立川 敬太