ディクテオンが自慢の末脚でJpnⅠ制覇へ
ディクテオンが自慢の末脚でJpnⅠ制覇へ

川崎記念2024

[JpnI川崎記念=2024年4月3日(水曜)4歳上、川崎競馬場・ダート2100メートル]

ディクテオン(セン6・栗東=吉岡辰弥厩舎)

父キングカメハメハ
母メーデイア
母の父キングヘイロー

 デビューは3歳5月と遅く、未勝利の勝ち上がりには間に合わず名古屋競馬へ移籍。2戦2勝の成績でJRAへ再転入を果たした。22年1月の再転入初戦となった1勝クラス(小倉ダート1700メートル)こそ追走に苦労して終わるも、2戦目(小倉ダート2400メートル)では一変したレースぶり。中団から長くいい脚を使い5馬身差の圧勝とダートの長丁場で素質が開花。同年11月の晩秋S(東京ダート2100メートル)でオープン入りを果たし、23年4月に同舞台のリステッド・ブリリアントSでオープン初勝利。道中最後方に近い位置から鋭い決め手を発揮し、コース巧者のダノンラスターを相手にアタマ差の接戦を制した。

 昨年秋のJpnⅡ浦和記念(2000メートル)で交流重賞に初参戦。当初は短期免許で来日中だったライアン・ムーアが騎乗予定も急きょ、船橋の本田正重に乗り替わりとなった。前半はせかさずリズム重視で最後方を追走。向正面から一気に加速し4コーナーでは一気に先頭に躍り出ると、逃げていたミトノオーに2馬身半差をつけ重賞初制覇。続くJpnⅡ名古屋グランプリ(2100メートル)は在籍時に手綱を取っていた愛知の名手・岡部誠を背に迎えた一戦。逃げた3頭が激しく競り合う展開となったがいつも通り馬のリズムを重視。鞍上も話していた「しまい1000メートルの競馬」に徹し向正面から仕掛けていくと、グングン上がっていきコースレコードで重賞2連勝を飾った。

 母は牝馬のダートグレード競走6勝を挙げた名牝メーデイアということもあり、息子も地方の舞台で秘める素質が開花した印象。時折、難しさも見せるが、エンジンがかかってからの末脚には目を見張るものがある。重賞初V時と同じ鞍上=本田重を背にJpnⅠ制覇といきたい。

著者:東スポ競馬編集部