子どもをほめるときに、「すごいね」「えらいね」「がんばったね」などといった言葉をかけているお母さん、お父さんはとても多いです。

「ほめるといい」ということはみなさんよくご存じなので、とにかく「すごい」「えらい」というほめ言葉を使って、なんとかお子さんをやる気にさせようと思いがちです。

「すごいね」の前に、何に対してすごいのか伝えてあげる

そもそも「すごい」「えらい」という言葉は非常に抽象的で、あいまいなものです。

何に対して「すごい」のかが伝わらないので、いわれた子どももピンと来ないのでしょう。

ここまでお話ししてきたように、具体的にプロセスに気づき、ほんの少しの成長を伝えましょう。

たとえば「昨日、宿題がんばってやってたよね。必死で机に向かってるの見て、すごいなーって思ったんだよね」といってあげる。

どんなささいなことでもかまいません。

漢字ドリルをやっていたら、「あれ、漢字の線が今日は濃くなって、読みやすくなったね。1文字1文字を、ていねいに書けるようになったんだね。すごいね」といった具合です。

要は「すごいね」の前に、何に対してすごいのか伝えてあげることです。

ただほめればいいと、「すごいね」「えらいね」などと言葉で伝えても、プロセスを見ていないことは、子どもにはちゃんと見抜かれています。「お母さん、適当にほめているな」と、わかっていますよ。

お母さん、お父さんがちゃんと見てくれていると実感できると、子どもの自己肯定感は上がっていきます。

親のボキャブラリーも試されるので、最初はちょっと大変かもしれませんが、大切なのは、子どもに「ちゃんと見ているよ」と伝えることです。

子どもは、ていねいに見てもらいたい生きものだということを認識しましょう。