欧州でプジョー新型「E-5008」が世界初公開されました。スタイリッシュな3列7人乗りSUVですが、どのように進化したのでしょうか。

全面改良された全長4790mmの3列7人乗りSUV

 ステランティスの仏ブランド、プジョーは2024年3月20日、フラッグシップSUV「E-5008」を世界初公開しました。

 プジョーのSUV「5008」は、2016年のグローバルローンチ以来30万台以上が生産され、欧州SUV市場を中心にグローバルで好評を博してきたモデルです。

 今回登場した新型E-5008は、ステランティスの「STLA Medium(ステラ・ミディアム)プラットフォーム」を採用した最初のモデルとなります。

 プジョーは 100%電気ブランドになることに尽力し、ユーザーの要件を満たすためにラインナップを拡大していますが、新型E-5008は同セグメントで7人乗りとなる唯一の電気自動車(EV)となります。

 全長4790mm×全幅1890mm×全高1690mm、ホイールベースは2900mmというボディサイズで、3列7人乗りとなります。荷室容量は通常時で259リッター、3列目シートを折りたたんだ5人乗車時で748リッター、2/3列目を折りたたむと1815リッターと広大な室内スペースを確保しています。

 パワートレインは複数を用意。前輪駆動(FF)バージョンは157kW(約213馬力)・345Nm仕様と170kW(約231馬力)・345Nm仕様の2種類のモーター、さらに4輪駆動(AWD)バージョンは、トータル237kW(約322馬力)を誇るデュアルモーター仕様となっています。

 搭載するリチウムイオンバッテリー容量は最大97kWhで、航続距離はセグメントで最高の最大660kmとなる予定です。

 エクステリアは新世代プジョーのデザインを採用。洗練されたモダンな雰囲気とSUVの力強さを表現し、ヘッドライトにはピクセルLED技術を採り入れています。

 ボディカラーはオブセッション ブルー、インガロ ブルー、オケナイト ホワイト、パール ブラック、アーテンス グレー、チタニウム グレーの6色で、GTバージョンでは、光沢のあるブラックのルーフを備えたツートンペイントが標準となります。クロームパーツは廃止されています。

マルチメディアシステムには「チャットGPT」を初搭載

 インテリアでは、プジョーのi-コックピットの最新デザインとなる「次世代パノラミックi-コックピット」を採用。

欧州で初公開されたプジョー新型「E-5008」のインテリア

 i-コックピットの3つの基本要素のうち2つであるヘッドアップディスプレイと中央の大型タッチスクリーンを統合し、ダッシュボードの左側からセンターコンソールまで伸びる21インチ高解像度パネルを備えた曲面パノラマスクリーンに統合されています。

 このパノラマディスプレイはダッシュボードの上に浮かぶようなデザインとなっており、スクリーンの下のアンビエントLEDライトがフローティング効果を強調しています。

 i-コックピットを構成するコンパクトなステアリングホイールも大幅に改良されました。

 再設計された中央クッションは小さくなり、ステアリングホイールのスポークから「分離」され、ダッシュボード上のパノラマスクリーンを思わせる浮遊効果をもたらしています。

 またプジョーiコネクト アドバンスドシステムには「チャットGPT」を搭載。対話しながら地域の観光スポットを調べたり、旅行中に友だちとクイズをおこなったりと多彩な使い方が可能です。

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 新型E−5008には、EVだけではなく136馬力を発生する新世代ガソリンエンジンと電気モーターを組み込んだ6速DCTで構成される48Vマイルドハイブリッドモデル「E-5008ハイブリッド 136 e-DCS6」、および92kW(約125馬力)モーターと150馬力のガソリンエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)「E-5008 195 e-DCS7」も用意します。

 これらのバージョンには60リッターの燃料タンクが装備され、航続距離を高めているのも特徴です。

 新型プジョーE-5008は、2024年秋に欧州市場で発売される予定です。価格などの詳細は明らかになっていません。

 また日本での展開時期なども未定です。