京都をひとり旅するなら、どんな1泊2日を過ごしますか? そんな質問に京都好きのあの人がオリジナルプランをつくってくれました。ひとりだからこその楽しみが詰まった、個性的かつ贅沢なガイド。ここでは、料理研究家、 ウー・ウェンさんの京都1泊2日ひとり旅プランを紹介します。

予定を詰め込まず、 普段のリズムを崩さない。

東京からたった2時間半で、まったくの別世界。ほっとして心身ともに休まるので、中毒のように行きたくなるのが京都です。普段の生活リズムを崩さないのが私の旅の流儀。だからいつも通り、食事は朝食に最も重きをおきます。その大事なひとときには旧三井家下鴨別邸が最高で、食後、半日そこで過ごしてもいいくらい。朝をしっかり食べる分、昼はおそばなど軽めのもので。夕飯は翌朝に備えて早めの時間にいただきます。大好きな骨董店やギャラリーに顔を出すのは、店主に会いに行く意味合いが強い。旅は人との出会いが大切、モノはその次なのです。その土地でいただくのが一番おいしいから、お土産は基本的に買いません。帰りの新幹線に乗る前に京野菜を買い込むのは、翌日の晩ごはんの買い物なのでお土産ではないんです。京都伊勢丹は駅直結だから、大荷物になってもエレベーターでホームに上がるだけ、新鮮なうちに持って帰れる、私の〝爆買いパワースポット〞! 帰りの車中では『白』のお弁当を目で慈しみながらゆっくり堪能するのが、締めのいつもの決まりです。

My Solo Trip Planウー・ウェンさんの京都1泊2日ひとり旅プラン。

1日目
10:00
新幹線で京都駅着。

11:00
開店と同時にそば店『』(烏丸御池)に行き、にしんそばなど温かいそばを食べる。

12:00
骨董店『てっさい堂』(三条)で古伊万里の器を見たり、器店『』(岡崎)、アンティークショップ『』(銀閣寺)などの骨董店や道具店を訪ね、それぞれ店主とのおしゃべりも楽しむ。

15:00
甘味処『』(高台寺)でひと休み。作りたてのくずきりをいただく。

18:00
前)または和食店『』(河原町丸太町)で夕食をいただく。*ともに要予約

(烏丸御池)に宿泊。

2日目
9:00
旧三井家下鴨別邸(下鴨)で、予約制の朝食を楽しむ。*実施日要確認 時季が合えば懐石料理『』(南禅寺)の朝がゆもおすすめ。

10:00
(南禅寺)や上賀茂神社(上賀茂)をゆっくりと巡る。

13:00
そば店『』(紫野)でそばをいただく。

13:30
カフェ『』(北大路)でコーヒータイム。

14:30
有名料亭が手がける土産専門店『』(祇園)で、予約しておいた弁当をピックアップ。ごまや『祇園むら田』(祇園)で、ごまを購入。

15:30
京都駅のジェイアール京都伊勢丹で、京野菜を買う。

17:00
車中で『』の弁当を楽しみながら、新幹線で帰宅。

ウー・ウェン Wu Wen料理研究家

中国・北京生まれ。1990年来日。1997年からクッキングサロン主宰。料理を通じて日中の懸け橋となる活動を続ける。『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』や、新刊『ウー・ウェンの蒸しもの お粥』(ともに高橋書店)など著書多数。

illustration : Mayumi Kawahara text : Mick Nomura (photopicnic), Wakako Miyake edit : Wakako Miyake cooperation : Mimi Odahara

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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