今では当たり前になった2人1組(2サム)や3人1組(3サム)でのゴルフのラウンドですが、人数によってプレーにはどのような違いや影響があるのでしょうか。

少人数ゴルフはペース配分や役割分担に注意

 数十年前までは日本のゴルフは4人1組(4サム)でラウンドするのが一般的でした。そもそも多くのゴルフ場が2人1組(2サム)や3人1組(3サム)の予約を積極的に受け付けていませんでした。しかし、バブル崩壊(1990年代)以降に集客数が落ち込み経営難に陥るゴルフ場が増加、2サムや3サムの予約も受け付けるようになっていったのです。今では2サムや3サムのラウンドも当たり前になりました。

親子でも楽しめる2サムゴルフ 写真:AC
親子でも楽しめる2サムゴルフ 写真:AC

 1組の人数によってプレーにはどのような違いや影響があるのでしょうか。2サムや3サムでラウンドする際に気をつけるべきポイントなどを、ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に聞きました。

「まず、人数が多いほど組全体のプレー時間が長くなるのが最大の違いです。当たり前ですが、2サムでのラウンドが最も所要時間が短く、2サムよりも3サム、3サムよりも4サムの方が時間がかかります」

「仮に、前の組が4サムで自分たちが2サムや3サムの場合、何も考えずにプレーを進めていくと、徐々に前の組との間隔が詰まっていき、結果的に前の組をあおってしまう可能性があります。ですから、2サムや3サムで回る場合は4サムのペースに合わせる必要があります。裏を返せば、2サムや3サムは余裕をもってゆったりとラウンドができ、後続組を気にする心配も少ないのです」

「一方で、調子を崩さないようにテンポよく進行したい人もいるでしょう。であれば、次のホールのティーイングエリアの少し手前で待機しておけば、前の組を焦らせてしまうことも無いと思います。前のカートにピッタリと寄せてしまうのはマナー違反といえます」

デメリットも意外と多い少人数のゴルフ

 プレースピードにさえ配慮すれば、快適にラウンドできる2サムや3サムゴルフですが、デメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

「ゴルフ場や曜日によりますが、500円から2000円程度の割増料金がかかる場合があることが2サムや3サムのデメリットです。また、ボールが林や茂みの中に入った際には、当然、人数が多いほうが見つけやすいので、人数が少ないほどロストボールの確率は上がると思います」

「さらに、カートを運転する負担も増えます。リモコンで遠隔操作できる電導カートであればよいですが、自走式カートの場合はセカンド地点まで動かしたり、グリーン奥まで回したりという作業が4サムよりも忙しくなるでしょう」

 とはいえ、2サムや3サムは4サムと比べて同伴者とのスケジュール調整がしやすく、夫婦やカップル、親しい間柄の仲間と親密にゴルフを楽しめるという魅力もあります。ですので、2サムや3サムで回る時は、4サムの時と少しだけプレーのペースが変わる点だけ理解しておくとよいかもしれません。

ピーコックブルー