今季からスーパーフォーミュラへの参戦を開始した岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は、このプロジェクトと並行して、イギリス・ミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーで、F1のシミュレータドライバーを務めている。

 岩佐はこのシミュレータでレッドブルとRBのマシンの両方を試したと言い、それぞれ明確な違いがあると明かした。

 昨年シーズン終了直後に、アブダビで行なわれたルーキードライバーテストで、初めてF1マシンをドライブすることになった岩佐。曰く、そのマシンには大いに感銘を受けたと、改めて語った。

「去年アブダビで初めてF1マシンに乗りました。その時はめちゃくちゃ良いクルマじゃんと思ったんです」

 この時岩佐が走らせたのは、アルファタウリ(現RB)のAT04。角田裕毅とダニエル・リカルドがドライブしたマシンで、チームはコンストラクターズランキングは8位だった。シーズン終盤にはアップデートが大成功し、上位を争うようになった2023年のアルファタウリ。しかしそれでも、表彰台や優勝を争うまでには至らなかった。

「F1って、こんなに良いクルマでも勝てないんだなと思いました。上位をなかなか走れないマシンでも、こんなに凄いのかと感じたんです。レッドブルのマシンにも、早く乗ってみたいですね」

 そう語る岩佐だが、シミュレータではレッドブルのF1マシンのドライブを経験済みだという。そしてRBとの違いも、シミュレータ上であっても明確に感じたという。

「RBとレッドブルは、シミュレータで乗っても違いを感じます」

 そう岩佐は言う。

「コンセプトが違うんですよ。クルマ作りの、求めてる方向性が違うと思います。それで乗り味も違います」

「どっちかと言えば、レッドブルの方がピーキーというか、タイヤに対してダイレクトな感じです。一方RBは、サスペンションやメカニカルグリップとうまく使って曲がっているなというフィーリングがあります」

「つまり、レッドブルの方がシャキッとしている感じです。だからと言って、乗りにくいわけじゃありません。でも自分がミスをすれば、ダイレクトにマシンの動きに出てしまいます。一方でその分、自分のコントロール次第で、言うことを全部聞いてくれるという感じもあります」