レッドブルとホンダ(ホンダ・レーシング/HRC)は2025年限りで、現在の協力関係を解消するが、同チームで3度の世界チャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンは、将来的なホンダとの再タッグを歓迎するような発言を行なっている。その姿勢はホンダも同様なようだ。

 HRCは現行パワーユニット(PU)レギュレーションが終了する2025年まで、レッドブル・パワートレインズ(RBPT)用PUの開発と製造、そして技術サポートを継続。次世代PUレギュレーションが導入される2026年からは、レッドブル・パワートレインズはフォードと共にPUを開発し、これをレッドブルとRBが使う予定。ホンダはアストンマーティンへPUのワークス供給をスタートさせる。

 2023年までにドライバーズタイトル3回獲得、コンストラクターズタイトル2回獲得と蜜月関係を築いてきたレッドブルとホンダ(HRC含む)のパートナーシップも一度ここで終了となる。

 フェルスタッペンは2024年もチャンピオン街道まっしぐら……しかし今後に関しては暗雲が垂れ込めている。というのもレッドブルF1陣営上層部のイザコザや次世代PUのパフォーマンスに関する不安などから、フェルスタッペンが2028年の契約満了を待たずにチームを離れる可能性があると指摘されているのだ。

 フェルスタッペンの考えられうる移籍先のひとつとして挙げられているのがアストンマーティン。そうホンダが2026年からPUを供給するチームだ。

 フェルスタッペンは「ホンダの大ファン」だとして、近い未来とは言及しなかったものの、将来的な再タッグもやぶさかではない様子だった。

「もちろん、チームと仕事をするという意味で、ある時点で僕らの関係は終わるものだ。だからといってそれで終わりということじゃないし、それ以外のことも沢山ある。僕はいつだってホンダの大ファンなんだけどね! いい思い出が沢山ある」

 F1日本GPの木曜日に行なわれた記者会見でそう明かしたフェルスタッペンについて、HRCの渡辺康治社長は歓迎する姿勢を見せた。

「当然ウェルカムです。そういうことが実現するかどうかは分かりませんが、同じF1村にいる仲間としては、どこかでまた巡り合うということを期待したいです」と渡辺社長は語った。

「ただ正直に言って、すぐに動くとは思っていません」

 アストンマーティンと手を組むホンダとして、フェルスタッペンの“引き抜き工作”はしないのか? との質問について渡辺社長は次のように答えた。

「しないですよ(笑) そういったことはしないと思いますが、そろそろ色々なことを考えている時期ではあるでしょうね」

 また渡辺社長は、ドライバー選択に関する権限は全てアストンマーティンにあるといい、これはレッドブルでも同様だという。ただホンダ/HRCとしても、チーム側とはドライバー選択について意見交換を今後も行なっていくと説明した。

「チームの判断なので、我々が直接どうこうということはありません」と渡辺社長は言う。

「ドライバーについてはレッドブルの時と同様に(アストンマーティンでも)チームが基本決めますが、我々から見てどのようなドライバーが良いのかというところは当然、意見交換をしています。それは同じようにやっていくつもりです」