大阪杯2024

[GⅠ大阪杯=2024年3月31日(日曜)阪神競馬場、芝内2000メートル]

 ドバイや香港遠征を目指す馬も多い近年、戦力が分散傾向にあるGⅠ大阪杯(31日=阪神芝内2000メートル)。ならば、穴馬にも台頭の余地は十分。4歳牡馬受難のデータも相まって、当欄が狙うのは古豪カテドラル(牡8・池添)。持ち味の決め手をフル発揮なら“上位争いになっていい”とひそかに一発を狙う陣営の激走シナリオとは――。

 今年の大阪杯は混戦模様。その中で主役候補として挙げられるのはタスティエーラやソールオリエンス、ベラジオオペラなどの現4歳馬だが、この世代の牡馬は年長馬たちとの戦いで劣勢傾向にあるのは周知の通り。

 GⅠに昇格した17年以降を振り返っても4歳牡馬の勝利は18年スワーヴリチャード1頭のみ(4歳牝馬は21年レイパパレ)。あのコントレイル(3着)やエフフォーリア(9着)も4歳時にこのレースで苦杯をなめたとなれば…。波乱決着に懸けてみる価値は十分にあると言えそうだ。

 そこで注目したいのは16年生まれの古豪カテドラル。池添厩舎は京都記念を制したプラダリアとの2頭出しとなるが、「多頭数出し厩舎は人気薄のほうを買え」の格言に倣ってこの馬から勝負してみたい。

 もちろん、このハーツクライ産駒の8歳馬は「穴コラム」ゆえのむちゃな狙いでは決してない。ここ2走は58・5キロのトップハンデ。その中でも中山金杯0秒5差8着、小倉大賞典0秒8差7着と成績ほど大きく負けていないのは注目に値する。

「この2戦は決して上手な競馬ができたわけではありませんが、ラストはしっかり脚を使えていました。自分の走りができれば、ここでも上位に食い込むチャンスがあると思っています」

 こう話す池添調教師の口ぶりにも力がこもっており、決してリップサービスから出た言葉でないのは明記しておきたい。

 ここにきて運も向いてきた。後ろから行く脚質の同馬にとって、先週末の雨は好都合。内の馬場の渋化が進めば、それだけ外差しが利きやすくなるからだ。指揮官も「直線は馬場のきれいな外に出せると思うので、そこを通って伸びてきてくれませんか」と、この状況を歓迎する。

 20日の1週前追いでも坂路4ハロン53・4ー12・2秒と上々の動き。年齢的に大きな上積みはなくとも、好調キープならそれで十分。あとは展開や道中の位置取りなどがかみ合って、持ち味の決め手を発揮できれば…。

 人気の4歳牡馬勢を押しのけて、キャリア33戦のいぶし銀カテドラルが、3連単50万円オーバーの高額配当が飛び出した一昨年(1着は8番人気のポタジェ)以上の波乱劇を巻き起こしてくれるに違いない。

激走ムードが漂う8歳の古豪カテドラル
激走ムードが漂う8歳の古豪カテドラル

著者:東スポ競馬編集部