休養を経てパワーアップしたというスタニングローズ
休養を経てパワーアップしたというスタニングローズ

大阪杯2024

[GⅠ大阪杯=2024年3月31日(日曜)阪神競馬場、芝内2000メートル]

 今週日曜の阪神メインはGⅠ第68回大阪杯(31日=芝内2000メートル)。現地時間30日に行われるドバイ国際競走にドウデュース、リバティアイランド、ジャスティンパレス、スターズオンアース、ナミュールなど、GⅠ馬が多数参戦するが、それでもGⅠ馬5頭が出走予定で白熱した戦いが繰り広げられそうだ。特捜班の注目は一昨年の秋華賞以来、2つ目のGⅠタイトルを目指すスタニングローズ(牝5・高野)だ。

 22年の秋華賞で3歳牝馬の頂点に立ったスタニングローズ。オークスでも2着に入っていて牝馬トップクラスの実力があるのは誰もが認めるところだが、昨年のヴィクトリアマイル12着後に左前脚の腱周囲炎が判明してここまで長期休養を余儀なくされた。

「レース前の雰囲気からも競馬へ向かっていないのが少しうかがえました。ゲートも出ていかなかったですし、闘志もなかったですね。その後は脚元にも不安が出てしまいました」と振り返った高野調教師。戦う前から嫌な予感はあったようだ。今年は始動戦に予定していた中山記念もパスして挑む一戦で、前哨戦を挟まず劣勢は否めないのだが…。

「私は人気薄で自信のある時はとにかく吹きまくりますから」と高野調教師がものすごい勢いで特捜班に向かって熱く語り出した。「牧場で大事にやっていただいたことで今は脚元も問題ないですね。帰厩してからが特にいいです。1週前もそうですが、中間は素晴らしい動きをしていてさすがGⅠ馬だと思いました。キングカメハメハ産駒で牡馬みたいな肉体をしていますし、競走で勝つに値する状態だと思います。今回は秋華賞を勝った舞台と同じですから非常に楽しみです」と高野調教師は負けるイメージは湧かないと豪語するほどだ。

 師の言葉通り秋華賞を制した阪神内回り2000メートルが舞台。紫苑S、フラワーCも勝っていて機動力があり器用なタイプだけに舞台設定は願ってもない。ローザネイから続く薔薇一族の血を引く牝馬で唯一の牝馬GⅠを制したのがスタニングローズ。オークス、秋華賞でしのぎを削ったスターズオンアースのその後の活躍を物差しにすれば通用の下地は十分。高野師が話すように10か月半の休養を経てさらにパワーアップしているのは明らかだ。

 JRA所属馬はドバイ国際競走に22頭も参戦して超一線級が不在。昨年のダービー馬、皐月賞馬が参戦するが明け4歳は世代レベルを疑問視され続けている。今年はメンバー的にもチャンスはありそう。いつにも増して強気の高野節に乗っかってみるのも面白いかもしれない。

著者:東スポ競馬編集部