さらに調子を上げてきたテーオーロイヤル。まさに究極の仕上げだ
さらに調子を上げてきたテーオーロイヤル(手前)。まさに究極の仕上げだ

天皇賞・春2024

[GⅠ天皇賞・春=2024年4月28日(日曜)4歳上、京都競馬場・芝外3200メートル]

<栗東>主戦の菱田や岡田調教師など厩舎関係者が口を揃えて「絶好調」と語っていたテーオーロイヤルの前走・阪神大賞典。結果は5馬身差の圧勝と文句なしの内容で、本番に向けて最高のステップを踏んだ。中間も高値安定レベルであれば好勝負が可能のイメージだったが、ここにきて同馬の上昇カーブは絶好調のさらに上を行こうとしているのだから驚きを隠せない。

 それを証明するように17日の1週前追いでは長めからしっかり負荷をかけて6ハロン80・3ー11・5秒の好時計。「正直、前走が『生涯で一番のデキ』かと思っていましたが、今回はそれをさらに上回る状態で出られる可能性が高い。ジョッキーの感触から伝わってくるモノもそうですし、体の張りやツヤもさらに上がっている感じがしますね」(大林助手)

 きっちり仕上がった状態でレースに使えることで反動なく次に向かえる好循環。「(昨年末の)ステイヤーズSを使った後はダメージが出ましたが、年明けの2戦はそういうところが一度も出ていません」と悲願のGⅠ制覇へ期待は膨らむばかりとなっている。

 注目の最終追いは3週連続で菱田が騎乗し、ウッドで同厩サラサハウプリティ(古馬2勝クラス)、ストームバンガード(3歳1勝クラス)と併せ馬。体を大きく使ったフォームでスッと流れに乗ると、前2頭を2馬身追走する形で淡々とラップを刻んでいく。人馬の呼吸ぴったりに直線を向くと、最内からグイとひと伸び。しっかりと気持ちを乗せるように馬体を接近させての追い比べは、馬なりの手応え以上に中身の濃い内容だった。最後は半馬身遅れたが、ラストまで長くいい脚を使って6ハロン86・4ー11・9秒と上々の走りで最終リハを終えた。

 稽古を見届けた岡田調教師は「予定通り。抜群に良かった。間隔を詰めて使っているけど、馬を追い込んで使っていない分、まだ上積みが見込める。筋肉がついて体つきから変わってきた。以前はハミに乗るような走りをしていたけど、そのあたりのバランスが良くなってきた今なら京都の下り坂も問題ないと思う」と盤石の仕上がりをアピールした。

 いよいよ大器晩成のときを迎えた名コンビが、人馬ともに悲願の初GⅠ制覇へ――。春の盾というビッグレースで、ロイヤル戴冠式ドラマのお膳立ては全て整った。

著者:東スポ競馬編集部