9日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め見送りが予想され、積極的なドル買いは入りづらい。ただ、金融当局がタカ派姿勢を維持するとの見方から長期金利は下げづらく、ドルを支えそうだ。



豪準備銀行とカナダ銀行の両主要中銀による今週の想定外の政策決定で世界的な引き締め圧力が意識されたが、前日の低調な米新規失業保険申請件数で米引き締め見送り観測が高まった。それを受け米金利安・ドル安に振れ、ユーロ・ドルは1.0780ドル台に浮上、ドル・円は138円80銭付近まで軟化。本日アジア市場は日経平均株価の急反発で、リスク選好の円売りが優勢に。米金利も下げ渋り、ドル・円は底堅い値動きで139円台に戻した。



この後の海外市場は具体的な手がかりが乏しく、来週の重要イベントを見極める展開で動意の薄い値動きとなりそうだ。来週開催の連邦公開市場委員会(FOMC)は引き締め一服がメーンシナリオだが、7月の利上げ再開が見込まれるため、ドルは売りづらい。また、ユーロ圏経済のテクニカル・リセッションやウクライナでの戦闘激化でドルが選好される可能性があろう。欧米株安なら円買いが想定されるが、ドル・円は下値の堅さが意識されよう。



【今日の欧米市場の予定】

・21:30 カナダ・5月失業率(予想:5.1%、4月:5.0%)

・21:30 カナダ・5月雇用者数増減(予想:+2.13万人、4月:+4.14万人)