コストコ「会員専用ガソリンスタンド」併設→「概ね20円以上安い」

会員制スーパー「コストコホールセール 南アルプス倉庫店」(山梨県南アルプス市)が今月11日にオープン。
未明から1000人以上の行列ができるなど高い人気ぶりがうかがえるが、併設する会員向けガソリンスタンド「南アルプス倉庫店ガスステーション」が3月15日に開業し、営業開始から2時間で250台もの車が訪れたことがニュースとなっていた。
ガソリンスタンド(GS)は全国各地で廃業が相次ぎ「GS難民」という言葉が出るほど社会問題に。
ぜスーパーを本業とするコストコがGSの運営に力を入れているのか。
コストコは以前から店舗に併設するかたちでGSを営業。
南アルプス倉庫店のGSは24台が同時に給油でき、周辺のGSより1リットル当たり概ね20円以上安く、セルフサービスでコストコの会員証が必要だ。
「コストコは業界的には日本ではスーパーに分類されますが、より精密にいえば会員制のホールセール業態で、そのことで通常の大手小売店とは異なる3つの特徴があります」
そう語るのは、経済評論家で百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏。
氏によると、3つの特徴とは、
1. 商品を大型のパッケージで激安販売すること
2. 大量買いにフィットさせる目的で自家用車でアクセスすることが前提の場所に出店すること
3. 毎年の利益がほぼ会員からの年会費収入の合計額と同じ金額になること
であるという。
「3つめの特徴が、他にはない本当に特徴的な要素なのですが、コストコの安さの秘密がここにあって、『会員向けのサービスであるから販売からは利益が出なくてもいい』という前提で価格設定をしています」
「そこでガソリン販売ですが、そもそも会員の大半が車に乗ってくるのでガソリンを買うニーズがあります。他のGSではガソリン価格が上昇しているなか、コストコならば原価相当の会員価格でガソリンが入れられるとなると会員は喜ぶわけです」
「コストコのガソリンも周囲のガソリン価格相場と比べると10~15円安いといわれています。コストコの年会費は今年5月から個人会員でこれまでの4840円から5280円へと値上げされます。それでも年4~5回コストコを利用して、そのたびにガソリンを満タンにすれば、それだけで年会費の元がとれます」
「このように儲け度外視で会員制のガソリンスタンドを併設することは、会員にとってもコストコにとってもウィンウィンのメリットがあるのです」
コストコのターゲットは、周辺自治体に住む中流の3~4人家族で、車を持っていて大きな冷蔵庫が自宅にあるような人たちだという。
「そういったターゲット層にわざわざ遠方から来てもらって新規会員になってもらうには、ガソリンが会員価格でびっくりするほど安く入れられるという条件は、今後ますます重要性を増してくるのです」
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編集者:いまトピ編集部